碧の宝石 (ページ19)

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浴室から出てきた大野さんは私と同じTシャツと短パンを着ていた。

「あ…服借りました…」

「あぁ、どうぞ。」

「………………。」

気まず…沈黙。

「……二日酔いとか大丈夫？」

「…はい。大丈夫です。…あの、私…昨日変なこと言ってませんでした？」

全然記憶がないから失礼なこと言ってないか怖かった。

「…いや？特には。」

「そ…そうですか。」

カズのこと愚痴ったりしてなかったのかな…

大野さんもそれに触れないってことは
付き合ってたことさえも知らないってことなのかな…

大野さんが何も言わないなら
自分から自爆するのはやめておこう。

「なんか食う？腹へらねぇ？」

「え？あ、はい…何か作りましょうか？」

「んー作ってほしくても何もねぇんだよな…なんか出前とる？」

「そうですね…お任せします。」

「なんにすっかなぁ。」

そう言って、テレビ台の引き出しを開けて
デリバリーのチラシの束を机に広げた。

「どこにしよう…迷うな。」

「そうですね…。」

「じゃあ、せーので指差そう。」

「え？」

「せーのっ！」

大野さんと私が指差したのは中華料理店だった。

「お、揉めずにすんだな。」

「ですね。」

「飲んだ次の日って何故かラーメン食いたくなるんだよなぁ。」

「あ、私もです。あそこまで酔わなければ、ラーメン食べて帰ってたと思います。」

「マジで？おすすめのラーメン屋とかある？」

「はい。大野さんもおすすめあったら情報交換しましょう。」

「おう。とりあえず出前電話するわ。」

「お願いします。」

電話から30分後、二人で熱々のラーメンをすすった。