理想の彼女 (ページ16)

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立ち上がって、飾られた絵を近くで見ていると
小さくサインが書いてあった。

ローマ字で“A”と。

『お待たせしました…』

コーヒーカップを持ったAさんが部屋に入ってきて、思わず背中がビクッとした

『あ、それ…私が描いた絵なんです。』

彼女は苦笑いをしながらコーヒーカップを机に置いた。

NJ「絵が上手なんだね。」

壁に飾られた絵は本当に綺麗だった、

『…高校で舞台美術を専攻してて…』

NJ「だから上手なのか…
今も描いてるの？」

『今はもう…。
芸術や美術を商売にするって難しいですから…』

彼女の笑顔の奥に悲しむような表情が見えた気がした

NJ「…僕はAさんの絵、すごく好きだけどな。」

『ありがとうございます…。
あ、これはグクが描いたやつです。』

指さした先に、写真立てがあった。

そこには鮮やかな花が描かれていた。

NJ「これをジョングクが？」

『はい。
調べたら、リナリアってお花みたいです。』

NJ「リナリア…」

『グクって絵も上手だし、歌もダンスもできて本当に凄いですよね。』

NJ「そうだね。僕もそう思う。」

メンバーを褒められるのはやっぱり嬉しい。

けど、少しだけ胸にモヤモヤした感覚が残った。