理想の彼女 (ページ2)

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彼女がいれてくれるコーヒーは格別で
飲みたくなったら
わざわざ自転車に乗って彼女が働くカフェへ出向く

店内はわりと静かだし、本を読むのにもちょうどいい。

『今日は何の本を読んでるんですか？』

本を読んでいると、必ずこうやって声をかけてくる。

NJ「推理小説。読んでみる？」

僕が本の表紙を見せると
彼女は決まってこう言う。

『私には難しそうです。』

って。

毎回そう言うのに、何を読んでるのか聞いてくる彼女の心理を僕は知りたい。

カップのコーヒーを飲み干してテーブルに置くと
ちょこちょこと小動物みたいな動きで近づいてきた。

『お持ち帰りのコーヒー豆です。』

レジで頼んでおいたコーヒー豆を持ってきてくれた。

NJ「ありがとう。」

『お仕事、頑張ってください♪』

小さくガッツポーズをした彼女。

可愛らしいとは思う。

けど、何か違う…

「おーい！カフェモカのオーダー入ったー！」

『あ、呼ばれちゃった…
また来てくださいね♪』

彼女指名でオーダーが入ることも多いらしく、
忙しそうにしながらも嬉しそうにカウンターへ向かう後ろ姿を見送って、お店を後にした。