そよ風と金木犀【TH】 (ページ10)

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『あ…、すみません、さっき勝手にヨンタンの写真を撮ってしまって…』

TH「そうなんですね。ありがとうございます。」

アイドルの愛犬を勝手に撮ってしまったことを謝ったのに、ありがとうございますってお礼を言われて
思わず言葉に詰まった。

TH「？そのカメラで可愛く撮ってくれたんですよね？」

テヒョンさんも不思議そうな顔をしていた。

『あ、はい。これ、フィルムカメラなんで、デジカメみたいに消去できなくて…』

TH「…………。」

私の顔を見つめて黙ってしまったテヒョンさん
　

『フィルム、捨てたほうがいいです…よね？』

なぜ黙っているのか分からないけど、フィルムを捨てたほうがいいような気がしてそう言った。

TH「捨てなくていいです。
その写真を現像したら見せてください。」

『あ…はい。』

TH「じゃあ、失礼します。」

テヒョンさんはペコッと頭を下げて行ってしまった。

よくよく考えてみたけど、現像したら見せてくださいってどうやって？

彼の事務所に持っていく？
それか郵送する？
相手は私の名前も知らないのに？

反射的に「はい」って返事してしまったことに後悔した。