そよ風と金木犀【TH】 (ページ29)

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TH「さぁ！行こう！」

テヒョンさんは満面の笑みで車を発進させた。

『金木犀ってこの辺だと、
何処に咲いてるんでしょうね？』

TH「公園とか、遊歩道とかにありそうじゃない？」

『そうですね。人工的に植える植物ですもんね。』

…………私は気づいてしまった。

『…と、なると、ドライブより歩いたほうが良くないです？』

TH「え？」

テヒョンさんが目を丸くしてこっちを見た。

『え？』

TH「ん？」

『ん？』

TH「あ？」

『あ？』

意味を持たないやり取りに顔がニヤけた。

TH「僕の勝ち〜〜〜♪」

『なんですかそれw
今の勝負だったの？w』

TH「そうだよ。笑ったからAの負けー！」

『私は勝負するなんて聞いてなかったです。』

私の負けず嫌いの性格がこんなところで出てしまう。

TH「勝負は突然に始まるものだよ？
君はまだそれを知らなかったようだね。」

『勝負は突然に…、これからは肝に銘じておこう。』

わざとらしい言い回しに笑いそうになりながら
彼の世界に同調する。

TH「ふふっ！」

テヒョンさんが笑ったせいで私も笑ってしまった。

『今のは私の勝ちですね。』

私がそう言うと、テヒョンさんは「負けました。」って笑った。