そよ風と金木犀【TH】 (ページ23)

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TH「…………」

めっちゃ凝視するじゃん…

真顔で
あの大きな瞳で
じっとあの間抜けな顔を見てると思うと
冷や汗さえ出てくる始末。

『…申し訳ないですが、それは渡せません。』

TH「え！なんで？！」

彼はすごく驚いたような声を出して私を見た。

『わ、私が写ってるからです。』

TH「え…ダメなの？」

子犬がしょんぼりしたような顔をされて
心が揺らぐ

『だ、ダメです。
テヒョンさんが私の写真を持つ意味が分からないですし、だいたい、こんな間抜けな顔…』

TH「間抜け？すごく可愛く撮れてるじゃん。」

可愛く撮れてる？

誂ってるのかと思い、彼を見ると
至って真面目な顔をしていた。

TH「写真を持って帰れないなら、
これ、スマホで撮らせてよ。」

『スマホで？この写真を？』

TH「うん。
持って帰れないならそうするしかないよね？」

そうするしかないって…
そんなに欲しいの？
こんな写真。
(テヒョンさんが撮った写真をこんな写真呼ばわりして申し訳ないけど…)

『…スマホで撮るならいいですよ。』

根負けして承諾してしまった。

TH「ありがとう！」

嬉しそうに写真を撮影するテヒョンさんを
不思議な気持ちでボーッと眺めた。