そよ風と金木犀【TH】 (ページ13)

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TH「ここで見てもいい？」

『はい、確認お願いします。』

テヒョンさんは袋から写真を取り出した。

TH「わぁ…、すごい！」

元々大きな瞳が更に大きくなった。

TH「写真撮るの上手ですね。」

『ありがとうございます…、
でもたまたまうまく撮れたんだと思います。』

TH「どうして？」

『被写体が良かったのもあるし…、
私、人間を撮るのが苦手で…』

TH「人間？」

『はい…、見ての通り、お店もこんな感じですし。』

お客さんの出入りのない寂しい店内を見渡した。

TH「そうなの？このお店、随分前からやってそうな雰囲気だけど…」

『…もともとは祖父が経営してて…あの子たちも祖父のコレクションなんです。』

私がショーケースを見ると
テヒョンさんも私の目線の先を見た。

TH「そうだったんですね…」

祖父の話をするとしんみりしちゃって、テヒョンさんにも伝わってしまったのか、心做しか彼の表情も暗くなった気がした。