瑠璃色の夜空 (ページ8)

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船着き場に着くと、すでにおじさんの船が停まっている。

荷台を停めて船に近づくと、すごく楽しそうに話す声が聞こえて、大漁だったのかもって
こっちまでわくわくした。

「おー、荷台持ってきてくれたのか！」

おじさんが私に気づいて手を振った。

『大漁だったのー？！』

「大物が釣れたーーー！」

船から満面の笑みで降りてきたのはおにぎりを受けってくれた男性

帽子も外してて、顔がしっかり確認できて
私はハッとした。

こ、この人、BTSのキム・ソクジン？！

驚きすぎて言葉が出ない私に気づいたのか、
さっきまでの満面の笑みが一瞬で真顔になった。

え？え？
本物？似てるだけ？

アイドルに全然興味ない私だけど、さすがにBTSのことは知っている。

あまりにも似てる彼の顔をじっと見つめると、
ふいっと顔を背けた。

あ…人の顔をまじまじと見るのは失礼だよね…

もし彼が本物だったとしても、お客さんには変わりない。

そう思って、彼のことは見ないでおじさんに駆け寄った。

『大物？なんの魚？！』

「これだこれ！」

おじさんが見せてくれたのは大きな真鯛。

『わぁぁ！こんな大きな真鯛初めて見たかも！』

本当に大きな真鯛を目の前にして興奮を隠しきれなかった。

「俺も何年ぶりだろうなぁ、お客さんの腕がいいからだな！」

私につられたおじさんも少し興奮した様子。

「よかったな、ソクジン！」

マネージャーって呼ばれてた男性が口にした名前を聞いて確信に変わる。

やっぱり本物だ。

ワールドワイドハンサムとか自分で言っちゃう人って誰かに聞いたことがあった。