六話 ページ8
十年前、超能力のトレーニングの時にいつも言ってた台詞。はっきり覚えてる。ちょっぴり懐かしい。
でも、何で今その台詞を...？
キョトンとした私に対して、
レ「超能力を出さないようにするトレーニング、始めるで」
ニッと笑うレトさん。
心の奥が温かくなるのを感じた。
どうしてこんなに優しいんだろう。
『レトさんには叶わないなぁ』
私も笑った。
そして...十年の時を経て、再びトレーニングが始まった。
超会議まで、あと一ヶ月。
頑張らなきゃ！
◈ ◈ ◈
レ「はい、我慢してな〜」
『くっ...』
ただ今晩ご飯を兼ねたトレーニング中。
何のトレーニングかって？
鬼だよ！！
目の前には生焼けのハンバーグ。
何でレアなの！？私はレア苦手なのに！！ミディアムが好きなのに！！
焼きてぇ！今すぐ美味しく焼いてやりてぇ！！
レ「あれ？A、手が赤く光って...」
『っき、気のせい気のせい！！』
危ない、炎出る所だった。
そっかそっか、と笑うレトさん。鬼だな。
レ「はい」
レトさんは麦茶を差し出してきた。
私は素直に受け取る。
...あれ？
『レトさん、これ...』
レ「あぁ、一時間前から台所に置いといてん」
何 が し た い ？
常温の麦茶。なんか嫌だ。
『冷やそうよ』
レ「これもトレーニングやで...ってあれぇ？A、手が青く...」
『だーーーっ！！気のせい！！別に冷やそうなんて思ってなんかないし！！』
この鬼がぁ！！
レトさんは失礼失礼、とニマニマしながら、カニカマをほぐす。
悔しいの何の！！
こうなりゃやってやんよ！！
◈ ◈ ◈
あれから時は流れた。
学校でも特に何もなく、普通の日々を送った。
レトさんとのトレーニングも順調に進んで。
...超会議が、明日に迫っていた。
レ「よく頑張ったな」
『まだ明日だよ』
レトさんは私の頭を撫でてくれる。これが大好きなんだ。
レ「そろそろ寝な」
『うん』
おやすみ、と交わして部屋に入る私には聞こえなかった。
レ「A...いや、あかつきなら行ける」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 59人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はたこ(プロフ) - Rainさん» ありがとうございます(｡ ・`ω・´)☆頑張ります！！ (2017年7月23日 22時) (
レス) id: 4aa810012c (このIDを非表示/違反報告)
Rain(プロフ) - めっちゃ面白いです！更新がんばってください！ (2017年7月23日 22時) (レス) id: 6ba8dd0c68 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はたこ | 作成日時：2017年6月25日 17時
