二十八話 ページ30
先「緊急オペ中だそうだ。担任が出張中だから、俺に連絡が回ってきた。授業も講習もいいから、行きなさい」
全てが止まったような気がした。
レトさんが？
トラックに、轢かれた...？
なにも考えられなくなった頭。
帰宅の準備をする。
ここから家まで電車で三十分、家から病院まで自転車で十五分。
間に合わせなきゃ。
先生に頭を下げ、クラスメイトの声も聞かず、学校を飛び出した。
駆け込んだ電車の中。
誰か...誰か、力になってくれそうな人はっ...！
周りに頼れる人なんか...と考え、ハッとする。
ふと思い浮かんだのは、四人の男性。
そのうち、近くににいるのは...来れそうな人は！
『キヨくん、確か、イベントで今関西に...！！』
スマホのロックを解除すべく、思いっきり親指を押しつける。
文字を入力する手が震えた。
Aキヨくん
A助けて
Aレトさんが死んじゃう
もちろん既読はつかない。
Aレトさんがいなくなったらどうしよう
A買い物の帰りに
Aトラックに轢かれて
涙が出そうになる。
これ以上打てなくて、スマホをブレザーのポケットに押し込んだ。
電車の中、泣くのは我慢我慢。
電車に揺られる時間が、いつもの何倍も遅く感じた。
◈ ◈ ◈
キヨside
「お疲れさまでしたー！！」
キ「お疲れさまでしたー」
今日、一日目イベントが終わり、また明日...二日目に向けてスタッフさんが片付けを始めた。
出演者はここで解散。
ふとLINEを開く。
キ「ん...？Aから？」
あいつからの通知が六件。
読んだ俺は、思考が停止した。
Aキヨくん
A助けて
Aレトさんが死んじゃう
Aレトさんがいなくなったらどうしよう
A買い物の帰りに
Aトラックに轢かれて
レトさんが買い物の帰りにトラックに轢かれた？
キヨどこの病院
既読はすぐに付いた。
A○○病院
キヨすぐ行く
場所を調べながら、急いで向かった。
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はたこ(プロフ) - Rainさん» ありがとうございます(｡ ・`ω・´)☆頑張ります！！ (2017年7月23日 22時) (
レス) id: 4aa810012c (このIDを非表示/違反報告)
Rain(プロフ) - めっちゃ面白いです！更新がんばってください！ (2017年7月23日 22時) (レス) id: 6ba8dd0c68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はたこ | 作成日時：2017年6月25日 17時
