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女は追われる恋に幸せを感じることが多い。どこかの文献でそう書かれているのを見たことはあった。
確かにわたしも実際追うよりも追われたいと思っているし、その文献はほぼ間違ってはいないのだろう。
だが最近はずっと思うところがある。追われる恋も、行き過ぎると良くないのではー･･･と。
「なら行き過ぎる前に付き合えば？」
『もう手遅れだと思う。』
「あら手遅れなんだ。」
黒尾くんはそう言って両手を広げておどけた仕草をすると、「まあ頑張れよ。」と実に他人事な返事をした。
確かに彼には関係ないことだろうけど、長年の仲である友人の肩を持つことぐらいできないのだろうか。
「俺は研磨の味方だから。」
そんな考えを見透かしたのか、彼はソファでくつろぎながら、ニヤリと笑みを浮かべて言い放った。その表情も相まって実に憎らしく感じる。
「お前も早く素直になれよ。手遅れになる前に。」
『わたしはいつだって素直だけど。』
「はいはい。じゃ、俺もう帰るわ。」
回覧板届けに来ただけだから。
そう言うと、彼はソファから飛び上がって玄関に向かった。人の家でよくそこまでくつろげたものだ。
「また今度ー･･･は無理かもな。」
『は？何が、』
その先の言葉は出なかった。玄関のドアを開けた先に、見慣れたプリン頭の男が佇んでいたから。彼は据わった目でこちらを睨んでいて。「クロ。」といつもよりワントーン低い声で名前を呼んだ。
「･･･はい。なんでしょうか。」
「後で話聞くから。」
「･････････ハイ。」
「邪魔しないでね。」
「もちろんデス。」
そう言うと、黒尾くんは大きな背中を丸めながらそそくさと帰っていった。年下にすごまれる年上。なんとも面白い光景だった。でも。
「A。」
『ん？』
「クロと2人で何話してたの。」
その独占欲にまみれた瞳に見つめられて、わたしも黒尾くんと同じようなものじゃないか。なんてことを考えた。
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なお - やばいね、、とっても好きすぎる、、やばぁ、、、推すわ (4月20日 9時) (
レス) @page9 id: 4ebc7ce81e (このIDを非表示/違反報告)
かつどんちゃん。(プロフ) - 風丸さん» コメントありがとうございます。個人的に研磨君は重そうだなって思いながら書いていたので、そう言っていただけて嬉しいです😊 (4月9日 7時) (レス) id: 45cf3ca804 (このIDを非表示/違反報告)
風丸 - 自分のものになってほしいみたいな研磨君めっちゃ良かったです (4月3日 16時) (レス) @page9 id: 3542795748 (このIDを非表示/違反報告)
かつどんちゃん。(プロフ) - むのこさん» そう言っていただけて嬉しいです！コメントありがとうございます〜 (3月31日 19時) (レス) id: 45cf3ca804 (このIDを非表示/違反報告)
むのこ - 完結おめでとうございます！！！最推しの研磨きゅんがもっと好きになれました…！感謝です🙏 (3月31日 16時) (レス) @page9 id: 76119ca14c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かつどんちゃん。 | 作成日時：2024年3月24日 19時
