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『疲れた・・・』



今日は運が悪い。時計を見れば、普段ならもうとっくに帰っている時間だった。これも全て同僚のせいだ。

飲み会は行きたくないと散々言っていたのに、結局無理矢理連れて行かれる形になってしまった。スーツにはタバコとアルコールの匂いが染み付いてしまっている。

疲れた身体を自販機で買ったコーヒーで鼓舞しつつ、駅へと向かう。信号待ちの時にふと携帯を見ると、何十件ものメールが届いていた。

しかも宛先は全て【孤爪研磨】と書かれていて。わたしは急いでメールボックスを開いた。



[迎えに来たよ。]

[どこにいるの。]

[メール見て。]

【不在着信】

[まだ仕事終わんないの。]

[電話出て。]

【不在着信】

【不在着信】

[さすがに遅くない?]

[男と一緒じゃないよね。]



メールはスクロールしてもまだまだ続いている。わたしは血の気が引いていく感覚がした。

1番下まで辿り着くと同時に信号が変わる。足を進めようと前を見れば、向かいに見慣れた猫目がこちらをじっと見ていることに気がついた。

彼はプリン頭を風になびかせながら、ゆっくりと。落ち着いた足取りで向かってきて。



「・・・おかえり。今日は遅かったね。」



口元に綺麗な弧を浮かべて笑う彼の目は全然笑っていない。立ち尽くしていると、孤爪くんはわたしの手を取って歩き出した。



『・・・なんで。』

「ん?」

『なんで場所がわかったの・・・?』



わたしは彼に仕事場も、どこに飲みに行くなんてことも。何ひとつ教えてなんかいない。なのに孤爪くんはわたしを迎えに来た。・・・一体どうやって。



「・・・言ったよね。」

『え?』

「逃げても捕まえるって。」



街頭に照らされた金髪がきらきらと輝く。綺麗なはずなのに、今はそれが恐ろしいものに見えた。
 
 
 

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設定タグ:ハイキュー , 孤爪研磨 , 音駒高校   
作品ジャンル:恋愛
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なお - やばいね、、とっても好きすぎる、、やばぁ、、、推すわ (4月20日 9時) (レス) @page9 id: 4ebc7ce81e (このIDを非表示/違反報告)
かつどんちゃん。(プロフ) - 風丸さん» コメントありがとうございます。個人的に研磨君は重そうだなって思いながら書いていたので、そう言っていただけて嬉しいです😊 (4月9日 7時) (レス) id: 45cf3ca804 (このIDを非表示/違反報告)
風丸 - 自分のものになってほしいみたいな研磨君めっちゃ良かったです (4月3日 16時) (レス) @page9 id: 3542795748 (このIDを非表示/違反報告)
かつどんちゃん。(プロフ) - むのこさん» そう言っていただけて嬉しいです!コメントありがとうございます〜 (3月31日 19時) (レス) id: 45cf3ca804 (このIDを非表示/違反報告)
むのこ - 完結おめでとうございます!!!最推しの研磨きゅんがもっと好きになれました…!感謝です🙏 (3月31日 16時) (レス) @page9 id: 76119ca14c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かつどんちゃん。 | 作成日時:2024年3月24日 19時

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