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『じゃあね、孤爪くん。』
「うん、またね。」
孤爪くんに見送られながら改札を抜けて、駅のホームに着くとまだ電車は来ていなかった。空いているベンチに座れば、たちまち全身の力が抜けたような感覚に陥る。
彼はいつからあんな風になってしまったのだろうか。わたしが社会人になる前までは普通だった。つまりここ数年で豹変したのだろう。
孤爪くんと初めて出会った時、確か彼はまだ小学生で、わたしは中学生だった。弟のように可愛がっていた記憶がある。
"・・・一緒にゲームしよ。"
そうやっておどおどしながらゲーム機を持ってわたしの家を訪れる孤爪くんの姿は、今でも思い出せる。まだ彼が黒髪だった頃の記憶はそんなかわいいものばかりだ。
"そんなことしたら許さないから。"
"俺から逃げるため。・・・とかじゃないよね。"
"まあ逃げても捕まえるけど。"
なのに金髪になってからの記憶は全然かわいげがなく、むしろちょっと怖いとまで感じている。
同じぐらい一緒にいる黒尾くんは、ちょっと胡散臭くなったところ以外は何も変わらないというのに。
わたしは人がぎゅうぎゅう詰めの電車に乗り込みながら、静かにため息をついた。
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なお - やばいね、、とっても好きすぎる、、やばぁ、、、推すわ (4月20日 9時) (レス) @page9 id: 4ebc7ce81e (このIDを非表示/違反報告)
かつどんちゃん。(プロフ) - 風丸さん» コメントありがとうございます。個人的に研磨君は重そうだなって思いながら書いていたので、そう言っていただけて嬉しいです😊 (4月9日 7時) (レス) id: 45cf3ca804 (このIDを非表示/違反報告)
風丸 - 自分のものになってほしいみたいな研磨君めっちゃ良かったです (4月3日 16時) (レス) @page9 id: 3542795748 (このIDを非表示/違反報告)
かつどんちゃん。(プロフ) - むのこさん» そう言っていただけて嬉しいです!コメントありがとうございます〜 (3月31日 19時) (レス) id: 45cf3ca804 (このIDを非表示/違反報告)
むのこ - 完結おめでとうございます!!!最推しの研磨きゅんがもっと好きになれました…!感謝です🙏 (3月31日 16時) (レス) @page9 id: 76119ca14c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かつどんちゃん。 | 作成日時:2024年3月24日 19時