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『1人暮らししたい。』
そんな独り言が漏れた。
社会人になってはや数年。未だにわたしは実家から会社に向かっている。
別にここが嫌というわけではない。むしろ住みやすいと思っている。ただひとつを除いては。
「そんなことしたら許さないから。」
背後から聞き慣れた声。
恐る恐る振り返ると、そこにはまさしく悩みのタネであるプリン頭が視界に映った。
『・・・おはよう、孤爪くん。』
「おはよ。」
ふ、と薄く微笑むこの人は孤爪研磨くん。彼はわたしの近所に住む男子高校生だ。何故彼が悩みのタネなのかというと、それは。
「・・・1人暮らししたいの?」
『う、うん。そうだけど・・・』
「理由は?」
『理由?えぇっと・・・』
「俺から逃げるため。・・・とかじゃないよね。」
恐ろしく底冷えした声だった。彼は「まあ逃げても捕まえるけど。」と言うと、ゆっくりとこちらに歩み寄ってくる。
「でも捕まえるまでが面倒だからしないでね。」
『・・・したらどうするの。』
「どうすると思う?」
孤爪くんは見下ろすようにわたしを見つめる。猫のように鋭い瞳がきゅ、と細められた。
「・・・行こっか。クロが来る前に。」
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なお - やばいね、、とっても好きすぎる、、やばぁ、、、推すわ (4月20日 9時) (レス) @page9 id: 4ebc7ce81e (このIDを非表示/違反報告)
かつどんちゃん。(プロフ) - 風丸さん» コメントありがとうございます。個人的に研磨君は重そうだなって思いながら書いていたので、そう言っていただけて嬉しいです😊 (4月9日 7時) (レス) id: 45cf3ca804 (このIDを非表示/違反報告)
風丸 - 自分のものになってほしいみたいな研磨君めっちゃ良かったです (4月3日 16時) (レス) @page9 id: 3542795748 (このIDを非表示/違反報告)
かつどんちゃん。(プロフ) - むのこさん» そう言っていただけて嬉しいです!コメントありがとうございます〜 (3月31日 19時) (レス) id: 45cf3ca804 (このIDを非表示/違反報告)
むのこ - 完結おめでとうございます!!!最推しの研磨きゅんがもっと好きになれました…!感謝です🙏 (3月31日 16時) (レス) @page9 id: 76119ca14c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かつどんちゃん。 | 作成日時:2024年3月24日 19時