Spinoff 「愛情」 ページ10
何度も諦めようと思った。
『治。ご飯一緒に食べよ。』
何度も距離を置こうと思った。
「・・・彼氏とは食わへんの?」
『うん。今日は治に話したいこといっぱいあるし。』
彼女はあくまで"友達"としての俺を求めている。そこに恋愛感情はなかった。それが何よりも苦しくて。
『・・・もしかして他の人と約束してた?』
そうだよと。だからもう一緒に食べるのはやめようと。そう言って突き放してしまえば楽になるのに。俺は彼女に冷たく当たることができなかった。
「いや。ちょうど俺もAと一緒に食べたかってん。」
『本当?良かったー!』
そして話すのは学校でのことだったり、彼氏の愚痴だったり。でも文句を言うわりには幸せそうな表情で。
『わたし、治が友達でよかった。』
心底嬉しそうに笑う彼女が愛おしくてたまらない。
本当はその瞳に写すのは俺だけであってほしかった。でも、そんな願いももう叶うことはないだろう。ならせめて。
「・・・俺もAが友達でよかったわ。」
ずっと彼女の隣で。俺は友達という立場で。彼女を密かに想い続ける。
Aが幸せなら。友達としてでもいい。俺という存在を求めてくれるのならそれでいい。
「また明日もお弁当。一緒に食べよぉな。」
俺は絶対にお前を離してなんかやらんよ。
483人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なお - ごっつい好きなんやけど、、、やっぱり、ヤンデレって最高!! (4月20日 9時) (レス) @page11 id: 4ebc7ce81e (このIDを非表示/違反報告)
かつどんちゃん。(プロフ) - よう。さん» コメントありがとうございます!沢山の作品の中からこのお話を見つけてもらえて嬉しいです😊 (4月9日 22時) (レス) id: 45cf3ca804 (このIDを非表示/違反報告)
よう。 - ドタイプの作品見つけた…!!天才ですね…(笑) (4月9日 22時) (レス) id: df66def1dc (このIDを非表示/違反報告)
かつどんちゃん。(プロフ) - 赤羽さん» そう言っていただけて嬉しいです!コメントありがとうございます😊 (4月9日 9時) (レス) id: 45cf3ca804 (このIDを非表示/違反報告)
赤羽 - クッッッッッッッッ!!‼‼‼‼神作だッッッッッッッッッッッ (4月7日 23時) (レス) @page9 id: b22b7ccd76 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:かつどんちゃん。 | 作成日時:2024年3月17日 8時