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『美味しい・・・』
「やろ?自信作やねん。」
だからと言って昨日のことが水に流れることはない。気まずくて正直帰りたかった。
「A。」
『ん?』
カウンターから伸びた長い指がわたしの頬に触れる。そのまま口元を拭うように撫でると、ゆっくり離れていった。
「ご飯粒付いてんで。」
ふわりと微笑む治。その瞳の奥に見える熱が、くらくらしてしまうぐらいに苦しい。
『これ、食べたら帰るから。』
「じゃあ今日も送るわ。」
『送らなくていいから!お酒も飲まないし。』
「暗くて危ないやろ。黙って送られとき。」
あっという間にペロリとおにぎりを平らげると、すぐさま手を掴まれた。そして彼の大きな手で、1本1本の指先を丁寧におしぼりで拭われていく。
普段はこんなことをしないのに。その丁寧さが余計に恥ずかしさと気まずさを加速させる。
『・・・そこまでしなくていいって。』
「俺がしたくてしとんのや。」
恥ずかしいったらこの上ない。
しかもまだお客さんがいる状況でこれをされると、当然周りの視線を感じるわけで。生温い視線が横や後ろから突き刺さってくる。
「はいきれい。」
『・・・ありがと。』
「どういたしまして。」
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なお - ごっつい好きなんやけど、、、やっぱり、ヤンデレって最高!! (4月20日 9時) (レス) @page11 id: 4ebc7ce81e (このIDを非表示/違反報告)
かつどんちゃん。(プロフ) - よう。さん» コメントありがとうございます!沢山の作品の中からこのお話を見つけてもらえて嬉しいです😊 (4月9日 22時) (レス) id: 45cf3ca804 (このIDを非表示/違反報告)
よう。 - ドタイプの作品見つけた…!!天才ですね…(笑) (4月9日 22時) (レス) id: df66def1dc (このIDを非表示/違反報告)
かつどんちゃん。(プロフ) - 赤羽さん» そう言っていただけて嬉しいです!コメントありがとうございます😊 (4月9日 9時) (レス) id: 45cf3ca804 (このIDを非表示/違反報告)
赤羽 - クッッッッッッッッ!!‼‼‼‼神作だッッッッッッッッッッッ (4月7日 23時) (レス) @page9 id: b22b7ccd76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かつどんちゃん。 | 作成日時:2024年3月17日 8時