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注がれたビールを一気に仰いでカウンターに叩きつける様子を見た治は、「荒れとんなぁ」と呟いた。
『当たり前じゃん。振られたんだよこっちは。』
「･･････は、ほんまなん？」
『そうだよ。ねぇ次ネギトロちょーだい。』
「あ、あぁ。」
驚きながらもおにぎりを握りだす治。まあ驚くのも仕方のないことだろう。なにせその彼氏とは約5年も付き合ってたからだ。
仲は良かったし、周りもわたしも彼と結婚するんだって思っていた。でもそんなことはなくて。
『"Aのことは好きだけど、結婚は何か違う気がするんだ。ごめん。"･･･って何？！』
5年も付き合っておいて別れる理由がそんなことか。じゃあなんで逆に5年も付き合っていたんだよ。
おかげで彼への恋心もすっかり冷めてしまった。でもやっぱり5年という年月は大きくて。受けた傷は大きい。
「傷心中はうまいもん食べるに限るで。」
"はいネギトロ"
美味しそうな匂いとともに出てきたのは、白い湯気が立ち上る出来立てのおにぎりだった。
さすがおにぎり宮。絶品だ。
美味しいやら悲しいやら怒りやらと色々な感情が混ざりあったからか、ぽろりと涙が溢れた。
『んまぁ･･･』
「やろ？」
にやりと笑う治。「Aが望むんやったら毎日朝昼晩作ったるで。」と言われたので、『彼女できなくなるよ。』と返した。
『それに治にはずっと好きな人いるんでしょ。まだ告白してないの？』
「せやなぁ。でも、そろそろ口説こうかなとは思っとるで。」
『何それ。』
ずび、と鼻水を啜っていると、彼はカウンターを乗り出して、わたしの目元から溢れる涙をそっと拭った。
「泣かへんの。かわいい顔がもっとかわいなっとるで。」
『それ褒めてる？』
「褒めとんに決まっとるやろ。」
閉店間際に訪れたので他の客はもう2、3人しかいないけど、わたし達のやり取りがそんなにおかしいのか、視線をちくちくと感じた。
確かに学生時代から治との距離感はバグっている。
まあでも治は治で好きな人がいたし、わたしも彼氏がいたので恋愛感情に発展することはない。彼氏とは別れたけど。
『･･･治って意外と一途だよね。』
「やろ？好きになったらそいつしか見えんねん。」
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なお - ごっつい好きなんやけど、、、やっぱり、ヤンデレって最高！！ (4月20日 9時) (
レス) @page11 id: 4ebc7ce81e (このIDを非表示/違反報告)
かつどんちゃん。(プロフ) - よう。さん» コメントありがとうございます！沢山の作品の中からこのお話を見つけてもらえて嬉しいです😊 (4月9日 22時) (レス) id: 45cf3ca804 (このIDを非表示/違反報告)
よう。 - ドタイプの作品見つけた…！！天才ですね…(笑) (4月9日 22時) (レス) id: df66def1dc (このIDを非表示/違反報告)
かつどんちゃん。(プロフ) - 赤羽さん» そう言っていただけて嬉しいです！コメントありがとうございます😊 (4月9日 9時) (レス) id: 45cf3ca804 (このIDを非表示/違反報告)
赤羽 - ｸｯｯｯｯｯｯｯｯ!!‼‼‼‼神作だｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯ (4月7日 23時) (レス) @page9 id: b22b7ccd76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かつどんちゃん。 | 作成日時：2024年3月17日 8時
