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犯人側がかなり消耗していた事もあり、比較的早い段階で応援を要請できた。
爆弾の所持の確認も徹底し、その後に爆弾処理班が到着。
漸く人質の解放に漕ぎ着けられる。
ーーーそう安堵した時だった。
「まだ終わってねぇぞ！！！」
その怒号により、現場は一瞬にして張り詰めた。
声の方向にはテロ集団の残党と、探していた"人"がいた。
犯人は腹部に爆弾を巻き付け、空いた手で起爆スイッチを握っている。
犯人の腕に捕らわれた彼女は、見るからに出血が酷く、拘束されているので身動きも取れない状態だった。
意識が無いのか、項垂れている。
犯人の背後はガラス張りだった筈の全窓。
ガラス越しではない、灰色の空と高層ビルが見えた。
今直ぐにでも犯人を殺してやりたい衝動に駆られたが、必死の思いで己を律した。
現場の者全員が焦り、切羽詰まった表情だった。
説得が無駄だと分かっているから、何も発する事ができない。
「俺は、この街が"本物"だと信じてる。
この街を彩る為に俺達は革命を起こしたに過ぎない！」
畏怖震撼を目的とした計画的な無差別テロ。
皆が諦めの色を見せていた中、僕は見逃さなかった。
逆光の中、
彼女の瞳が、薄らとこじ開けられるのを。
犯人に気付かれないよう待機中の部下に、外でシートを準備させた。
タイミングを見計らっている最中、唐突に起爆スイッチが押された。
人質を含め、一斉に退避指示がフロアに響き渡った。
「た、退避ーーー！！！！今直ぐに退避しろーー！！！」
爆弾のタイマーは40秒を切っていた。
建物から皆が避難していく中で、僕達と犯人だけが微動だにしなかった。
「何故お前は残った」
「……その子は生きている」
ーーー30秒。
「他が為に己を犠牲にすると？
爆発する事は免れない事実になる。今更何ができる筈もないだろう！！」
「まだ時間はある。」
「人質を俺から引き剥がそうって魂胆か？
お前が助ける前に俺が人質を殺せば良い！」
ーーー15秒。
「彼女を助けるのは……
彼女自身だ！！」
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馬×3(プロフ) - リンさん» そんな事を言って頂けて嬉しい限りです。まだ語彙力が低い為上手い言い回しが出来ぬやも知れませんが、精進して行きます。 (2020年5月18日 21時) (
レス) id: dfb05b741d (このIDを非表示/違反報告)
リン - 洗練された文章のような印象を受けて、お話に引き込まれました。とても面白いです！更新楽しみにしてます。 (2020年5月18日 21時) (レス) id: 73f2c7a15b (このIDを非表示/違反報告)
馬×3(プロフ) - アイスあるさん» 有難う御座います。自己満なので、暖かい目でお願いします(/// ^///) (2020年5月14日 21時) (レス) id: dfb05b741d (このIDを非表示/違反報告)
アイスある - すごい面白いです！更新頑張ってください！ (2020年5月14日 20時) (レス) id: 38b2fa8d4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：馬×3 | 作成日時：2020年5月11日 14時
