直視不可 ページ6
方々で情報の収集を行っていると、国木田さんから連絡があった。
ポートマフィアが春野さんとナオミさんの居場所を「組合」に告発し、其れを探偵社に密告したとの事。
亦、ポートマフィアに探偵社の現拠点が割れている事。
現在、国木田さん達が二人を逃がしに向かっているそうで、私達は足となる列車の停車駅で待機する事となった。
真逆事務員の居所まで把握しているとは思わず、思慮深さに欠ける頭脳が憎らしかった。
屹度太宰さんは其れすらも予測していたものだろう。
其の当の本人は、待機する駅の看板犬と対峙していた。
「こんな僻地で再び君と見えるとは…余程私と雌雄を決したいらしい。」
彼の犬嫌い…と云うか苦手意識は今も尚健在で、先程近場で買ったドッグフードの袋を片手に犬へ手品を披露していた。
全く持って大人気ないが、あれが私の元上司兼現上司である。
少年らしさを何処か忘れられない彼の心は、こんな所でも私をある種の悲嘆に暮れさせる。
一頻り手品を見せ終えれば、遊ばれたドッグフードは彼の口に放り込まれた。
「…ドッグフード臭いので近付かないで下さい。」
「酷いっ！君って云う子は、こういう時本当に容赦が無いね。」
「犬…苦手なんですか？」
「人間より余程難敵だよ。」
国木田さんの連絡により、事務員二人を乗せた列車はもう時期到着する予定だそう。
敦さんの不安の通り、現状私達はポートマフィアの場風に載せられている状況だ。
「そんな…。
太宰さん、何か逆転の計略は無いのですか？」
「あるよ、この位。」
「三つも？」
「桁が違いますよ敦さん。」
「え…？」
「三百はある。」
「三百！？」
「けどね、戦況は生き物だ。必勝の秘策が僅かな状況変化ひとつで愚策に豹変する。
だから情報が大事なのだよ。
特に今回は相手が相手だ。
森さんは合理性の権化でね。数式の如き冷徹さで戦況を支配する。
刺客から逃れて気が緩む今を狙って、必ず何か仕掛けてくるよ。」
状況説明を終えた太宰さんは何時の間にか手元のドッグフードを平らげており(多分何処かで棄てたか犬に上げたのだろうけれど)、所用の如き腹痛を訴えて停車場を走り去った。
大方、尾行の方達に話をつけるのだろう。
太宰さんが離れた瞬間、脳内に光景が過ぎった。
近未来的な予知。
其れは有る種、理解のしたくない光景。
此の状況でポートマフィアは其処までの手に出るか。
私は数秒の間、硬直していた。
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馬×3(プロフ) - kajtuuwnさん» 更新障害の所為か外したのにオリ/フラが表示されていたみたいですね。確認したところ外れていたので、現在は問題ないかと思われます。ご指摘頂き有難う御座います。 (2022年7月18日 8時) (
レス) id: 85cef96c0c (このIDを非表示/違反報告)
kajtuuwn(プロフ) - オリ/フラ立ってます。外して下さい (2022年7月18日 7時) (レス) id: 08bd233888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：馬×3 | 作成日時：2022年7月18日 0時
