双つの黒�� ページ29
木から切り離したQを中原さんが背負い、人形は太宰さんが持った。
手持ち無沙汰な事に申し訳なくなり、私が先導して索敵を行った。
小屋外に新手の姿は無く、二人が登って来るのを待った。
「おいクソ太宰、其の人形寄越せ。」
「駄ー目。
万一に備えて私が預からせて貰うよ。」
「あぁ糞、昔から手前は俺の指示を露程も聞きゃしねぇ。
この包帯の付属品が。」
「何だって？
中也みたいな帽子置き場に云われたくないね。」
「この貧弱野郎！」
「ちびっこマフィア。」
「社会不適合者！」
「其の程度の悪口じゃそよ風にしか感じないねぇ。」
「ぐ……。
手前が泣かした女全員に今の住所伝えるぞ。」
「ふん、そんな事………其れはやめてくんないかな？」
「…お二人共、いい加減其のお喋りな口噤んだら如何ですか？
其れと中原さん、良ければ太宰さんの被害者の会の方の連絡先要りますか？」
「おう、後でくれ。」
「ねえAちゃん？私に何か恨みでもあるの？」
「逆に御自身に覚えがない事が驚きですね。
其れよりも、早く行かないと組合の方達が起きてしまいます。」
「Aちゃんに上から見下ろされるのも中々唆るものがあるのだけれど、スカートの中見えそうだよ？」
「…おい。」
「………嗚呼、此の指が勝手にっ…！
受話器の釦に添えられて、勝手に押してしまいそう…！」
「わーーっ！御免よAちゃん、私が悪かった。
後で好きな物を食べさせて上げるから、携帯を仕舞ってくれないかな？ね？」
「早く行きますよ。」
太宰さんに冷ややかな目を向け乍ら小屋を出た。
周囲に気を配るも、武装構成員は間違いなく残っていない。
然し其処で異能者の姿が見えなかった。
ハンチング帽の男は離れて見えないとしても、長髪の男は…。
背後の二人へ振り返ると同時に、何かによって中原さんが小屋を突き破る勢いで投げられた。
「ぬおあァッ！？」
幸い彼の咄嗟の判断でQは其の場に投げ出されていた為、無傷に済んでいた。
私はQを抱え、即座に木々の方へ隠れた。
小屋の壁に空いた穴から負傷した中原さんが起き上がろうとすると、太宰さんが彼の頭を帽子ごと踏み付けた。
「むぅ、流石組合の異能者。
驚異的な頑丈さだ。」
「踏むな！」
体勢を立て直した彼等には何処か余裕があり、其の隙を長髪の男が狙っているのは明白だつた。
「太宰さん…！逃げて下さい！」
続く
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馬×3(プロフ) - kajtuuwnさん» 更新障害の所為か外したのにオリ/フラが表示されていたみたいですね。確認したところ外れていたので、現在は問題ないかと思われます。ご指摘頂き有難う御座います。 (2022年7月18日 8時) (
レス) id: 85cef96c0c (このIDを非表示/違反報告)
kajtuuwn(プロフ) - オリ/フラ立ってます。外して下さい (2022年7月18日 7時) (レス) id: 08bd233888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：馬×3 | 作成日時：2022年7月18日 0時
