双つの黒 ページ25
私の異能力で見付けた"Q"の監'禁小屋は、郊外の森に位置していた。
索敵すれば其処等中に敵の姿が"見え"る。
罠だと分かっていても行くしかないし、罠であっても今夜において数の利は差程意味を成さない。
「あ〜行きたくない…。」
「仕方がないでしょう。
貴方が前線に赴くなら勝手知る人の方が連携も取りやすくなります。
森さんの采配は理解の及ぶ所ですし、貴方は納得していないだけで其れが最適解である事も理解している筈です。」
「其れを態々云ってくる君も中々意地悪だと思うけれどね。」
彼の文句を聞き流していれば、小屋に辿り着いた私達は光で照らし出された。
振り返れば、分かっていた事だが組合の主力構成員が二名。其の他雑兵がちらほら見受けられる。
Qの詛いを横浜広域にまで拡大させた異能者ーージョン・スタインベック。
そして底知れない不干渉的存在の能力者ーーハワード・フィリップス・ラヴクラフト。
「こんばんは。
うちの作戦参謀は敵行動の予測が得意なもので。」
「残念乍ら、私の参謀ちゃんは予知と索敵等の情報収集が得意なものでね。」
「罠と分かってて来た訳か。
だけど此の状況で不利なのは君達だ。
君達の情報はある程度知っているし、其の上で此処を打開する方法が有るとは思えない。
見た所君は手負いだし、もう一人の子は躰が不自由みたいだ。」
ハンチング帽を被った男が手を挙げれば、武装構成員が私達を取り囲む。
包囲が完了したと同時に、巨大な岩が長髪の構成員に向かって降って来た。
「はぁ……。」
「…いらっしゃいましたか。」
闇に紛れる黒衣を纏い乍らも、其の人物の存在感は圧倒的であった。
異能と武力を用いて包囲していた構成員を無力化して行く。
久しい気もするが、実際はそんなことも無く。
山積みとなった雑兵に聳え立つ控え目な身長の男性が此方を睨み付けた。
「最初に云っとくがなぁ、此の塵片したら次は手前だからな？」
「あーあ、矢っ張りこうなった。
だから朝から遣る気出なかったのだよねえ…。」
咄嗟にハンチング帽の男が異能力を行使しようとするも、太宰さんの異能て無力化された。
「はい、悪いけど其れ禁止。」
「なっ…異能無効化！」
異能力が無効化されている隙に、太宰さんの肩を飛び越して身長が控え目な男性ーー中原中也さんが其の構成員を蹴り飛ばした。
森の木々を薙ぎ倒す勢いで飛んで行った為、彼は昏倒した事だろう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 92人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
馬×3(プロフ) - kajtuuwnさん» 更新障害の所為か外したのにオリ/フラが表示されていたみたいですね。確認したところ外れていたので、現在は問題ないかと思われます。ご指摘頂き有難う御座います。 (2022年7月18日 8時) (
レス) id: 85cef96c0c (このIDを非表示/違反報告)
kajtuuwn(プロフ) - オリ/フラ立ってます。外して下さい (2022年7月18日 7時) (レス) id: 08bd233888 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：馬×3 | 作成日時：2022年7月18日 0時
