善なる者と悪なる者 ページ21
太宰さんは社長が承諾すると踏んで彼是手を打ってくれて居たのか、朝から応接用の長椅子に転がっていた。
溜息と自堕落さが顕著に出ていたが、彼がそんな風になっているのは単に会合の準備が面倒だからと云う理由では無いだろう。
「はあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
遣る気出ない。」
「朝から壊れた喇叭のような声を出すな太宰。」
「私は今ねえ、誰かと対話する気力もないのだよ国……なんとか君。」
「不燃ゴミの日に出すぞ貴様。」
「あぁ…食事も面倒臭い。
呼吸でお腹が膨れたらいいのに…。」
「バナナの皮剥きすら面倒なら餓死してしまえ。」
「まぁ、国木田さん。太宰さんも少しお疲れですし。」
太宰さんの手元から歯形の着いたバナナを取り、皮を剥いて渡した。
「水野、お前がそんなに甘いから此奴も余計にダラけるのだぞ。
抑々お前と敦の連携で街は壊滅を免れた！其の翌日に何故そうなる？」
「其れがねぇ…社長から次の仕事を頼まれちゃって…。
あー枯木のように唯寝ていたい。」
「そう云えば、昨日社長と敦が豪く話し込んで居たが其の件か？」
軽い漫談をしていると、奥から社長が現れた。
「太宰、マフィアの首領と密会の場を持つ件は進んだか。」
「手は打っていますが…」
「マフィアの首領は来ると思うか。」
「来るでしょう。
社長を殺す絶好の好機ですから。」
「構成員同士で延々血を流し合うよりは善い。」
社長が去った後も、傍らで話を聞いていた国木田さんは目を丸くした儘だった。
何処か青ざめた様子の彼に、思わず苦笑してしまう。
「……おい太宰、説明しろ。
マフィアの首領と…密会だと？」
「そうだよ。
敦君の着想から豪く大事になったものだ。
幾ら組合が最大の脅威になったとは云え…」
「待て待て待て！何が何やら…。
第一、何故お前が密会の手筈を整えている？」
「元マフィアだから。
因みにAちゃんもだよ。
今や国木田君以外は皆知ってるよ。」
「そ…其れは本当なのか水野…？」
今やすっかり青ざめた国木田さんは、縋る様に私へ首を向ける。
嘘だと云って欲しいのだろうけれど、私は其の事実に首肯する事しか出来ない。
放心状態となった彼は太宰さんに啄かれただけで仰向けに倒れた。
空かさず枕に入るも、其の巨体は大きく音を立てた。
「あらら。」
「…太宰さん、こうなると分かっていたでしょうに。」
「だって面白いんだもん国木田君。」
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馬×3(プロフ) - kajtuuwnさん» 更新障害の所為か外したのにオリ/フラが表示されていたみたいですね。確認したところ外れていたので、現在は問題ないかと思われます。ご指摘頂き有難う御座います。 (2022年7月18日 8時) (
レス) id: 85cef96c0c (このIDを非表示/違反報告)
kajtuuwn(プロフ) - オリ/フラ立ってます。外して下さい (2022年7月18日 7時) (レス) id: 08bd233888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：馬×3 | 作成日時：2022年7月18日 0時
