活路 ページ18
あれから一週間が経った。
ヨコハマの各所で「組合」やポートマフィアの動向に探りを入れつつ、通常業務が凍結している以外何ら変わりない数日を過ごした。
探偵社の屋上から空を見上げる傍らには、何時もの如く太宰さんが居る。
「今は"見え"る？」
「そうですね…彼の鱗雲の辺りを泳いでます。」
「んー、全く見えないや。
何色？」
「白です。」
「優雅に空中遊泳する姿は嘸かし素敵なんだろうね。」
「…そうですね。」
何処か窮屈に感じてしまう其の姿に煮え切らないでいると、不機嫌そうな足音が階段を登って来た。
扉を見ていると、顰め面の国木田さんが大股に歩み寄った。
片手で拡げられた首元には、見覚えのある"手形"が着いていた。
「おい太宰、此奴の意味を教えろ。」
私は手形を介して"Q"の詛いの出処を"見た"。
其れはヨコハマ中を覆う広域に及んでおり、Q本人の居場所を探るにも中々骨が折れそうだった。
「…皆さんに出歩かないよう云って、先ずは国木田さんを縛りましょうか。」
「縛るだと？如何いう事だ。」
「取り敢えず社に戻ろう。」
急ぎ足で国木田さんを椅子に拘束し、彼に其の手形が何であるか説明した。
彼の反応を見乍ら、太宰さんは嬉々として録画機器を設置していた。
万一の為与謝野女医と賢治さんが傍らに着き、詛いの発動を待った。
国木田さんの目から赤黒い液体が流れ出し、国木田さんは嘗ての亡霊を幻覚に見始めた。
「おい、太宰…始まったぞ…！」
妄言を次々と語り出す国木田さんを二人に任せ、私と太宰さんは探偵社を出た。
既に処々で騒動が起きているようで、詛いに掛かった一般人がちらほら見受けられた。
其の喧騒を掻い潜り乍ら、私は彼に着いて行った。
「此れから如何する心算で？」
「此の状況は間違いなく「組合」の仕業だ。
Qの詛いがヨコハマを中心に起こっていると仮定して、其れを可能にしているのは誰か。
君が"見て"くれた「組合」の異能力者の中に植物を使う組員が居た筈だ。
Qが「組合」の手中にあるとすれば、彼の団長が居る「組合」においてヨコハマ中を巻き込んだ厄災を起こすなんて一介の構成員の判断では出来ない。
ならば発動の要である人形は団長の手元にあると考えるのが自然だ。」
「とすれば、発動に使われた人形は彼の鯨の中と云う訳ですか。」
「其処で敦君の出番だ。」
「其の可能性を信じ切れる貴方の気が知れませんよ。本当に。」
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馬×3(プロフ) - kajtuuwnさん» 更新障害の所為か外したのにオリ/フラが表示されていたみたいですね。確認したところ外れていたので、現在は問題ないかと思われます。ご指摘頂き有難う御座います。 (2022年7月18日 8時) (
レス) id: 85cef96c0c (このIDを非表示/違反報告)
kajtuuwn(プロフ) - オリ/フラ立ってます。外して下さい (2022年7月18日 7時) (レス) id: 08bd233888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：馬×3 | 作成日時：2022年7月18日 0時
