昔の片鱗 ページ2
機材や地図を用意していると、社長が到着された。
何時もより厳粛さの増した出で立ちは歩みや口調が急くことはなく、唯々安心感を与えた。
「皆聞け。
嘗て、三日か二日前には戦争を免れる途は在った。然し其の途も今や閉ざされた。
社の鏖殺を謀るマフィア、社の簒奪を目論む組合。
此の両雄より探偵社を守らねばならぬ。
太宰、説明を。」
「はあい。
組合は資金力に、マフィアは兵の頭数に優れます。
正面から搗ち合えば探偵社と
其処で、我々は人員を
守勢の要は何と云っても、此処で与謝野先生を守る事。
先生の治癒能力があれば死なない限り全快出来ますからね。嬉しいかは別にして。」
守勢には社長、乱歩さん、与謝野女医、賢治君がついた。
私もてっきり守勢につくかと思われたがそう云う訳でもないらしい。
「攻勢は二組に分割。
谷崎君の隠密能力と私の異能無効化で敵の横あいを叩く。」
攻勢「甲」には国木田さんと谷崎さんが着き、「乙」は太宰さんと敦さんが着く事となった。
仮に私が攻勢に着く場合、谷崎さんの隠密は極小数の方が良い為「甲」ではなく「乙」となる。
然し私の状態なら守勢に入るのが妥当だ。
太宰さんの考えが何となく読めてしまい、私は顔を顰めた。
「其れで、Aは何方に着くんだい？普通に考えりゃ守勢だと思うけど。」
「Aちゃんはねえ、攻勢「乙」で私の補助に入って欲しいんだ。」
「何云ってんだい、Aの手足じゃ危険でしょうが。」
「其れがねー、実は国木田君の次くらいには攻勢向きなのだよ！」
「…嫌なんですが。」
「駄目ー。大人しく私の補佐に着きなさい。」
「俺の次にとは如何いう事だ？」
「Aちゃんって実はーー元傭兵なんだよね。」
「「はあ？！」」
「…はぁ。」
自分の事は話さない癖に、他人の事はべらべらと喋る此の男。
腹立たしさを通り越して呆れ果てていれば、驚愕と云った視線が降り注がれた。
「昔の話ですし、第一戦闘用の義手義足は今無いですよ。」
「じゃじゃーん！実は事前にAちゃんの自宅にお邪魔して、持って来てありまーす！(点検済み)。」
ピッキングに不法侵入、窃盗と此れだけで逮捕出来る内容に、一同塵芥を見るような目で彼を凝視していた。
此れでも昔より幾分かはマシになった方だ。
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馬×3(プロフ) - kajtuuwnさん» 更新障害の所為か外したのにオリ/フラが表示されていたみたいですね。確認したところ外れていたので、現在は問題ないかと思われます。ご指摘頂き有難う御座います。 (2022年7月18日 8時) (
レス) id: 85cef96c0c (このIDを非表示/違反報告)
kajtuuwn(プロフ) - オリ/フラ立ってます。外して下さい (2022年7月18日 7時) (レス) id: 08bd233888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：馬×3 | 作成日時：2022年7月18日 0時
