私は''安室透''と言う男を嫌う。【安室透】【降谷零】 (ページ25)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:83,503 hit

25 ページ25

一日、二日、三日………

安室さんの車にGPSを付けてから早数日が経とうとしていた。

特に私は早急に何をした訳でもなく、唯々GPSの移動記録を見ていた。

気付かれていない事には驚きだったけれど、そのお陰で彼の生活の周期的なものが一部だけ分かった。

自宅、ポアロの行き来は別段不思議なことも無かった。

然しその内の2日は警察庁に足を運んでおり、他にはブランド物の品々を持つ店に行っていたりもした。

確かに安室さんは一般的には美形なのだから恋人がいても何らおかしくはない。

然し一介の探偵がそれらを買えるとも思えない。

何より着目すべきは警察庁に2度も足を運んでいると言う点。

探偵はあくまでも探偵でしかない。

何故警察庁に出向く必要がある。

実は警察官だったりして……

それならば何故ポアロで働くのだろう？

いや、ポアロには最近来たばかりだ。

探偵業を片手にアルバイトというのはその界隈からしたら普通なのだろう。

ならポアロで働く前のバイトは？

そこを辞めた理由は？

考えれば考える程、安室透という存在は謎に包まれている事を知った。

唯家で移動記録とにらめっこしてばかりいても、それ以上の情報は入ってこない。

今か今かと抑えていた腰を漸く持ち上げた。

尾行の装いをして、彼がポアロで働いている内に彼の自宅付近へ向かった。

先ずは聞き込みをするべく、メモを片手に意気込んだ。