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｢明日は絶対に絶対に寝坊なんてしません｣
｢朝練もちゃんと来ます、だから…｣
｢また明日…です｣
小さな耳を上から下まで真っ赤にしたそいつは
それだけ言うと逃げるように慌てて電車から降りていった
こちらに背を向けた時、ふわりと回るスカートと一緒に無理やり束ねられた短いしっぽのような髪の先が揺れて
その瞬間だけがやけに遅く感じ、最後に目に映った横顔が、目が、鮮明かつ強烈に焼きつけられて
心臓あたりがキュッと小さな音を立てた…ような気がした
｢ただいま｣
｢あらおかえり、洗濯物あるなら出しちゃってね｣
｢……おー｣
朝練に来る、そう言われただけで馬鹿みたいに浮かれた
いや間違った全然浮かれてない 今のは嘘だ嘘
でもそれを言うなら昨日だって同じことを言われたはずだ
それなのにどういうわけか昨日と今日では気持ちがまるで違う、何がどう違うのかは馬鹿だから言葉にできないけど
なんかこう……違うんだよ、違うって言ったら違うんだ
｢ちょっと寿！あんた学ランの上出してどうすんのよ｣
｢え、ちゃんと出しただろ｣
｢洗濯するのはカッターシャツでしょうが｣
｢あらほんとだ｣
｢ほんとにもう、あと部活で着たものも出してよね｣
｢へーへーわかったわかった｣
調子が良かった日のシュートは1日中どころか寝ても醒めても忘れられなくて
ずっとその時のことを振り返っては嬉しさに浸ってしまう
頑張って自分の中でわかりやすい例を絞り出したら案の定バスケの時の感覚でしか説明することが出来ず
本当に自分には良くも悪くもバスケしかねぇんだなと改めて思い知らされた瞬間だった
｢(明日はもう少し早く起きるか)｣
自分が試合で大活躍した日のように
何度も何度も繰り返し思い出してしまう
こちらを見上げた時のあの目、驚くほど長いまつ毛
"たのしー"と口にした時の弾むような声と子供のように笑う顔はつい最近まで中学生の子供だった面影があった
思わず掴んだ手は自分の手と違って怖いほど小さくて、柔らかかった
｢寿、それ熱いわよ｣
｢おー………ってあっっっつ！？｣
｢だから言ったでしょほんとにこの子は！｣
なんでこうなった？
聞いても納得できるような答えは出てこない
ただただ、上の空になるだけ
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こちめる(プロフ) - なつめさん» はじめましてコメントありがとうございます〜〜😊楽しいと言っていただけて本当に嬉しいです！！とっても励みになります🥲 (2023年2月26日 19時) (
レス) id: b38c8404b7 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ - はじめまして！このお話が毎日の楽しみになってます☺️2人の距離感が絶妙で、読んでいてとても楽しいです！無理のない範囲で更新頑張ってください🫶応援してます！ (2023年2月26日 15時) (レス) id: 06b754cdeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こちめる
| 作成日時：2023年2月22日 23時
