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横断歩道を渡る時はチラッと見る程度とはいえ
ちゃんと歩く足を止めて右左を見てるし
当然信号無視もしたりせず、道の端に寄って待っている
本人からしたらそれら全ては常識的なことであり、当然の作法のようなものなのかもしれないが
普通ついこの間まで不良だった人がやるかな？と思うようなことばかりで驚きの連続でもあった
｢(やっぱり不良に向いてなかったのかな先輩)｣
不良の象徴とも呼べる姿勢の悪い歩き方をするどころか
ずっと背筋を伸ばして綺麗に歩いているし
きっと三井は根っこにある部分が良識的で道を外して曲がりたくても曲がりきれなかったタイプだったのだろう
最終的にぶん殴ったとはいえモップで攻撃力のなさそうな柄の方で殴ろうとしてた時点でほぼそれは確定のはず
｢(彩子ちゃんや宮城先輩に言われたとはいえ)｣
｢(断ることだってできたのに送ってくれるし)｣
｢(根がすごくいい人なのかもしれない)｣
好きな食べ物の話、嫌いな食べ物の話
バスケの話、高校の先生の話
さっきまで謝り、謝られたとは思えないほど
たくさん笑ってたくさんの話をした
中学1年生の頃遠く離れた観客席から見た憧れとこんなことを話しているなんてあの頃の自分は信じてくれないだろう
｢花渕｣
一体何回、花渕と呼ばれただろう
呼ぶ度に無意識に声のトーンが上がってることに
三井もAもこれっぽっちも気づいていない
本来なら交わることもなく、同じ線の上に立つこともなかったはずの2人の心の距離が少しずつ近づいていく
｢って、なんでそんな後ろにいるんだよ｣
ふと流れでAのことを呼び後ろを振り向いた三井
しかし心の距離感は縮まっても歩いた時の距離感は縮まるどころか離れるばかり
背が高ければ足の長さも足の大きさも違うし
歩くスピードも全然違う
必死について行こうと後ろを歩いていたAだったが
気を抜いてしまったのか、それとも部活の疲れが次第に出てきてしまったのか
気づけば2人の歩く距離はかなり離れてしまっていた
｢これじゃまるでオレがひとりで喋ってるみてぇじゃねぇか！｣
失敗した、そう思った時には既に遅く
普通に考えたらこんなことすぐにわかったはずなのにと
気を使ってやれなかった自分を思い切り殴りたくなった
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こちめる(プロフ) - なつめさん» はじめましてコメントありがとうございます〜〜😊楽しいと言っていただけて本当に嬉しいです！！とっても励みになります🥲 (2023年2月26日 19時) (
レス) id: b38c8404b7 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ - はじめまして！このお話が毎日の楽しみになってます☺️2人の距離感が絶妙で、読んでいてとても楽しいです！無理のない範囲で更新頑張ってください🫶応援してます！ (2023年2月26日 15時) (レス) id: 06b754cdeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こちめる
| 作成日時：2023年2月22日 23時
