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山本 side




タクシーで急いで病院に向かう 。

焦っても意味ないのに 、
大きいお札を出してお釣りも受け取らずに走った 。


「 すみません 、!

 601号室に 、 Aちゃんのところに、! 」


受付「 落ち着いてください 。 案内いたします 。 」


家族以外はだめ とか言われるかなって思ってたけど 、 安心 。

やっと 、 数ヶ月ぶりにAちゃんに会えるんだ 。







ここを開けたら 、 Aちゃんが … 。

久しぶりに会えるから嬉しいはずなのに 、
弱ったAちゃんは見たくない 。

でも 、 開けないと何も変わらない 。


よし 。



__ガラッ




『 っえ 、 なんで 、 』


「 よかった 、 」



少し 、 いや 、 だいぶ更に痩せてしまったAちゃんの姿と
その傍にはオオデマリがあった 。



『 なんで 、』


なんで病気のこと知ってるの 、
なんでここだと知ってるの 、
なんでここに来たの 、

等 、 様々な感情が入り交じった なんで だろう 。



僕も昂った心を抑え 、



「 Aちゃん 。 僕はね 、

 病気だろうとなんだろうとAちゃんを最期まで愛してるの 。」


「 ただ 、 迷惑だっていうならもう来ないけど 。

 Aちゃんにとって僕は迷惑 、? 」


我ながら狡い質問だなと思う 。

絶対 No と答えることを分かっててこの質問をしたのだから 。




『 … 迷惑なわけない 、 私もずっと会いたくて 、 離れたくなくて 、 』



「 なら 、 もうあんなこと言わないで 、 ずっと僕のそばにいて ? 」


『 …ごめんね 、 ありがとう 、 』



こうしてまた僕達はひとつになった 。




でも 、 病気 というものは残酷で 。

治る確率が低い と言われていたからある程度覚悟はしていたけど 、
やっぱり心のどこかでは ワンチャン を期待してる自分がいた 。

だから 、



『 私 、 あと3ヶ月ぐらいしか生きられないんだって 。 笑 』



数日後 、 悲しそうに笑ったAちゃんから告げられた僕は 、


あぁ 、 ほんとに居なくなっちゃうんだ 。


そう思った 。

・→←花



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作者名:もんぶらん | 作成日時:2023年11月2日 22時

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