・ ページ20
山本 side
タクシーで急いで病院に向かう 。
焦っても意味ないのに 、
大きいお札を出してお釣りも受け取らずに走った 。
「 すみません 、!
601号室に 、 Aちゃんのところに、! 」
受付「 落ち着いてください 。 案内いたします 。 」
家族以外はだめ とか言われるかなって思ってたけど 、 安心 。
やっと 、 数ヶ月ぶりにAちゃんに会えるんだ 。
・
ここを開けたら 、 Aちゃんが … 。
久しぶりに会えるから嬉しいはずなのに 、
弱ったAちゃんは見たくない 。
でも 、 開けないと何も変わらない 。
よし 。
__ガラッ
『 っえ 、 なんで 、 』
「 よかった 、 」
少し 、 いや 、 だいぶ更に痩せてしまったAちゃんの姿と
その傍にはオオデマリがあった 。
『 なんで 、』
なんで病気のこと知ってるの 、
なんでここだと知ってるの 、
なんでここに来たの 、
等 、 様々な感情が入り交じった なんで だろう 。
僕も昂った心を抑え 、
「 Aちゃん 。 僕はね 、
病気だろうとなんだろうとAちゃんを最期まで愛してるの 。」
「 ただ 、 迷惑だっていうならもう来ないけど 。
Aちゃんにとって僕は迷惑 、? 」
我ながら狡い質問だなと思う 。
絶対 No と答えることを分かっててこの質問をしたのだから 。
『 … 迷惑なわけない 、 私もずっと会いたくて 、 離れたくなくて 、 』
「 なら 、 もうあんなこと言わないで 、 ずっと僕のそばにいて ? 」
『 …ごめんね 、 ありがとう 、 』
こうしてまた僕達はひとつになった 。
でも 、 病気 というものは残酷で 。
治る確率が低い と言われていたからある程度覚悟はしていたけど 、
やっぱり心のどこかでは ワンチャン を期待してる自分がいた 。
だから 、
『 私 、 あと3ヶ月ぐらいしか生きられないんだって 。 笑 』
数日後 、 悲しそうに笑ったAちゃんから告げられた僕は 、
あぁ 、 ほんとに居なくなっちゃうんだ 。
そう思った 。
31人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:もんぶらん | 作成日時:2023年11月2日 22時