5話 ページ6
今日はランキング戦。コートのフェンスにぞくぞくと目をハートにさせた女の子達が集まる日である。
私も見に行きたいところだが、マネージャーの仕事であるドリンク作りをしているため、見に行くことができない。
トーナメント表の点数を書く係もマネの仕事で、今は大石先輩に代わってもらっている。
早く終わらせて、大石先輩と交代しなきゃ!
そう言ってる内にドリンクを作り終えた。しかし、考え事しながら作ったせいかいつもより多めになってしまった。
『よいしょ』
うっ…少し重いかも…
これは2往復しなきゃいけないかぁ……
私は自分の非力さに呆れながら、ドリンクの入った籠を持ち上げた。すると後ろから誰かが私の持っていたボトルを取り上げたのだ。
「手伝うよ」
その声の主は不二先輩だった。
『不二先輩!試合は大丈夫なんですか?』
私が疑問を言うと彼は「あぁ」と言い、笑顔でこう付け加えた。
「可愛い後輩が困っている時は助けてあげなきゃ、ね?」
『へ?!あ、はい…!ありがとうございます!』
不意打ちだ…こんなことあの不二先輩に言われたら、皆照れるに決まっている。
「じゃあ行こうか」
『あ、はいっ!』
私は不二先輩と一緒にランキング表が貼られてある場所に向かった。
向かっている途中、越前くんの試合しているところをチラリと見る。
彼は2年生と戦っているが、汗1つかかずに着々と点数を奪っている。
『越前くん凄いですね……!』
「うん。レギュラー陣にも勝っちゃうんじゃないかな?ふふ…」
『不二先輩が言うのなら、本当に勝っちゃいそうですね』
「まぁ僕は勝つけどね」
変わらずニコニコとしているが、彼は冗談ではなく、本気で言っているようだった。
『ふふ、不二先輩は無敵ですから!』
「そう?」
『はいっ!!嘘なんて先輩につけませんよ〜!』
不二先輩に嘘をついてもバレるのがオチである。
私達は笑い合いながら、ランキング表の前に着いた。
先程試合をしていた越前くんが、もう大石先輩に点数を告げている。
「Dブロック 越前リョーマ 6対0っス」
すごい…2年相手に6セットもとるなんて…
私は不二先輩にお礼を言って部室に入ろうとする越前くんを追いかけた。
『おつかれ様!すごいね越前くん』
「…まぁね」
越前くんは帽子のつばを下げながら答えた。
『次の海堂くんとの試合も頑張ってね』
私がニコニコしながら言うと、越前くんは猫のような目を見開き、「…うん」と言って部室に入っていった。
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ぽぱい(プロフ) - 名無しの漫画好きさん» 読んでくださりありがとうございます!( > < )新しいネタが出てきたら書こうかなと思います! (9月1日 17時) (レス) id: 345af002c8 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの漫画好き - めっちゃ面白いです!もしよかったら、他にもテニプリの作品を作ってほしいな❤️なんて。生意気言ってすみません(>人<;) (8月28日 22時) (レス) @page1 id: 7537c863d1 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぱい(プロフ) - とりあえず名無しさん» わー!間違えてました!報告ありがとうございます!それに褒めていただけるなんて恐縮です…( ; _ ; )♡ (2023年1月6日 23時) (レス) id: 345af002c8 (このIDを非表示/違反報告)
とりあえず名無し(プロフ) - あ、突然すんまそん。もしかしたら阿久津じゃなくて亜久津かもです!あとこの小説めっちゃ面白いです!これからも応援してます! (2023年1月6日 22時) (レス) @page31 id: 8d884a290d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽぱい | 作成日時:2022年12月15日 23時