39話 ページ40
ずっと浮かない顔をしてマネージャー業をこなす。
仕事が終わると、段差のある場所でしゃがみこみ、顔を俯かせた。
『はぁ…』とため息をつきながらさっき言われたことを思い出す。
そのまま菊丸先輩に嫌われたまま卒業されたらどうしよう。一生お話できないかもしれない…謝りたいけど、今練習で忙しそうだからなぁ…
グダグダと考えながら、また大きなため息を着く。
「ため息すると、幸せ逃げちゃうよ」
意気消沈しきっていると歩いてきた越前くんに話しかけられた。
『だって〜…菊丸先輩に嫌われたかと思うと…』
自分で言うと、また悲しくなってくる…
「あの人がAセンパイのこと嫌うわけないじゃん」
菊丸先輩は部員の中で1番絡んでくれるけど…
『わかんないじゃん…』
「はぁ、好きな子のことそんな簡単に嫌うはずないでしょ。」
『確かにそうだけど…って好きな子?』
菊丸先輩が私の事…好き?
越前くんの言ったことを復唱するように言うと
「やべ」
と明らかにヤバくはなさそうな感じで言う越前くん。
そのままポケットに手を突っ込みながら歩いていく。
その背中をぽけーっと見るが、ボールの打つ音で目が覚める。
『ちょっと、今部活中だよ!?どこ行くの?!』
少し遠くなった越前くんにそう呼びかけるが、聞こえていないのか無視しているのか、振り向いてはくれなかった。
『えっ…もう〜…』
大体の仕事は終わったし、越前くんを追いかけてもサボりにはならないだろう。いや、サボろうとしてる部員追いかけるのはいい事でしょ!
思ったことはすぐ行動に移すタイプな私はもう走り出していた。
◆
学校を抜け出し、越前くんを追いかけた私は今絶賛迷子中である。さっきまでは見えていたのに…
越前くんは意外と歩くのが早く、ずっと追っても距離は小さくならないままだった。
そして今、見失ってしまったのだ。
どこかで見たことある風景を首を回して眺める。
うーん…分からないけど、見覚えがある道を選び、どんどん歩いていく。すると、完全に覚えている長い長い階段が見えた。
『あっ、ストリートテニスの…』
そこはストリートテニスのコートがある場所だった。だから見覚えあるのね。
越前くん、もしかしてストリートテニスしに来たのかな?でもなんで??
テニスなら部活ですればいいのに…
そう思いながら階段の上を見上げていると5、6人の人達が階段を降りてきた。
あのジャージは氷帝学園だ。
先頭にはやはり跡部さんがいた。
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ぽぱい(プロフ) - 名無しの漫画好きさん» 読んでくださりありがとうございます!( > < )新しいネタが出てきたら書こうかなと思います! (9月1日 17時) (レス) id: 345af002c8 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの漫画好き - めっちゃ面白いです!もしよかったら、他にもテニプリの作品を作ってほしいな❤️なんて。生意気言ってすみません(>人<;) (8月28日 22時) (レス) @page1 id: 7537c863d1 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぱい(プロフ) - とりあえず名無しさん» わー!間違えてました!報告ありがとうございます!それに褒めていただけるなんて恐縮です…( ; _ ; )♡ (2023年1月6日 23時) (レス) id: 345af002c8 (このIDを非表示/違反報告)
とりあえず名無し(プロフ) - あ、突然すんまそん。もしかしたら阿久津じゃなくて亜久津かもです!あとこの小説めっちゃ面白いです!これからも応援してます! (2023年1月6日 22時) (レス) @page31 id: 8d884a290d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽぱい | 作成日時:2022年12月15日 23時