38話 ページ39
東京都大会が終わり、関東大会まで後少し。今日は校内ランキング戦。
レギュラー陣たちは1セットも落とさず、次々に勝利を決めていく。前回の校内ランキング戦で敗れた乾も6-0で勝っている。レギュラーに出れなかった分、みんなのデータを収集していたんだろう。努力家でかっこいいな。
ボールを打つ音が聞こえる中、私は点数表を書く係として、椅子に座っていた。
今日のマネの仕事もだいたい片付き、丁度暇していたから同級生の男の子変わってもらった。しかし、話し相手がおらず暇だと思っていた時、1年の3人組が走っていった。
「やべー!桃ちゃん先輩と乾先輩の試合見に行くの遅れちまった!」
など叫びながらコートへ走って行く。次は桃城くんと乾先輩の試合だ。気になるが、私は係から動けずソワソワしたままこの時間を過ごした。
何十分が経った頃、遠くで桃城くんが去っていくのを見た。おつかれの一言言おうと思ったが、どうやらそんな雰囲気ではないらしい。結局、話しかけることができず、私は桃城くんを後ろ姿を見ているだけだった。
それから桃城くんは部活に来なくなった。
桃城くんが来ないことで部の雰囲気はガラリと変わった。
『今日も来てないんだ。桃城くん…』
彼はムードメーカーであり、いつもコート内で元気な声を出していた。しかし最近は聞こえてこない。
『お疲れ様でーす』
と言いながらフェンスの扉をくぐると
「むーっ!もう怒った!こんな奴と組むのやめた!」
なんて叫ぶような声が聞こえてきた。その声が聞こえた方を見ると、菊丸先輩が地面に座り込みながらおこっていた。
後輩がそんな菊丸先輩を咎めるが、効果がないようだ。
頬を膨らませ怒っている菊丸はAに気が付き、飛びつくように抱きついた。
「聞いてよAちゃん!大石が俺のこと突き飛ばしたんだよ?!」
『えっ、そんなことがあったんですか?』
チラリと大石先輩の方を見る。大石先輩は困ったように眉を避けている。
『…菊丸先輩も何か非があったんじゃないですか?』
Aは大石が優しく、急に乱暴なんかしない人と知っている。そう告げると、菊丸はAにも怒り出した。
「なんでAちゃんもそう言うんだよ!何があったか見てないくせに!Aちゃんなんか、き」
菊丸先輩が何かを言おうとした時、手塚先輩がそれを遮った。その後、手塚先輩に怒られた2人は走らされていた。
『…菊丸先輩』
絶対嫌いって言いかけたよね…どうしよう嫌われちゃったかな…
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ぽぱい(プロフ) - 名無しの漫画好きさん» 読んでくださりありがとうございます!( > < )新しいネタが出てきたら書こうかなと思います! (9月1日 17時) (レス) id: 345af002c8 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの漫画好き - めっちゃ面白いです!もしよかったら、他にもテニプリの作品を作ってほしいな❤️なんて。生意気言ってすみません(>人<;) (8月28日 22時) (レス) @page1 id: 7537c863d1 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぱい(プロフ) - とりあえず名無しさん» わー!間違えてました!報告ありがとうございます!それに褒めていただけるなんて恐縮です…( ; _ ; )♡ (2023年1月6日 23時) (レス) id: 345af002c8 (このIDを非表示/違反報告)
とりあえず名無し(プロフ) - あ、突然すんまそん。もしかしたら阿久津じゃなくて亜久津かもです!あとこの小説めっちゃ面白いです!これからも応援してます! (2023年1月6日 22時) (レス) @page31 id: 8d884a290d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽぱい | 作成日時:2022年12月15日 23時