37話 ページ38
『どうしたんですか?跡部さん。』
跡部さんのため息に首を傾げる。
なにか変なことを言ってしまっただろうか?
「ジローは3年生だぜ」
衝撃的な一言が跡部さんの口から出る。
『え!年上でした?!ごめんなさい、芥川さん…』
しゅんとしながら謝ると、芥川さんは「えぇ〜」と言いながら首を横に振った。
「さっきのままがいいC〜!」
『わ!本当?そっちの方が私も気軽だから嬉しいな。』
ジロー君とは一気に仲が良くなった気がする。彼がコミュ強なおかげでもあるだろう。
「俺を後輩だと勘違いしたなら、岳人のこと女子だと勘違いしそ〜!」
ジロー君が笑いながら言うと、跡部さんも頷く。
「まぁ、アイツはおかっぱだしな。」
"岳人"という人物が出てきたが、分からない。
彼らの話に追いつけず、思わず聞いてみる。
『岳人?って誰ですか?』
「あぁ、こっちの話だ。気にすることねぇぜ」
しかし、跡部に躱されるA。跡部は教えたくないらしい。
「さっ、車に乗ろうじゃねぇの。」
いつの間にか車まで着いていたらしく、私たちはそれに乗り込んだ。ジロー君の家が近いということで彼の家から寄ることになった。
何分か経ち、たくさんの店が並ぶ街並みを車が通る。そしてキュウッと車が止まった。目の前には芥川クリーニングというお店。ジロー君、クリーニング屋さんなんだ〜。
『着いたみたいだよ、ジローくん。』
乗り込んでからは、私と沢山お話していたジローくん。しかし話し疲れて私の肩に頭を乗せて眠ってしまっていた。そんなジローくんをごめんねと思いながら起こす。
「ふぁー…もう着いたの…」
眠そうな目を擦るジローくん。
『そうだよ。ほら運転手さん待たせちゃうから急いで』
ジローくんにリュックを持たせ、背中をポンと押す。
「じゃあね!Aチャン!後でLI○EするC!」
そのポンで覚醒したのか、元気よく挨拶してドアを閉めた。すると、車に入った時から暑くて開けていた窓からジロー君の声が大きく聞こえてきた。
「あ〜岳人じゃん。また家出すんの?」
「シー!声でけぇんだよ!」
ジロー君の声の大きさで怒っているその子も声が大きい。
そういえばどこかで岳人って名前は先程ジローくんと跡部さんの会話に出てきていたはず。
岳人という人物が気になり、開いた窓から覗き込むと、ジロー君と大きいリュックとエナメルバッグを抱えた女の子?がいた。岳人ちゃんなの??
その後、車は私の家まで行き、何事もなく帰ることができた。
190人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽぱい(プロフ) - 名無しの漫画好きさん» 読んでくださりありがとうございます!( > < )新しいネタが出てきたら書こうかなと思います! (9月1日 17時) (レス) id: 345af002c8 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの漫画好き - めっちゃ面白いです!もしよかったら、他にもテニプリの作品を作ってほしいな❤️なんて。生意気言ってすみません(>人<;) (8月28日 22時) (レス) @page1 id: 7537c863d1 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぱい(プロフ) - とりあえず名無しさん» わー!間違えてました!報告ありがとうございます!それに褒めていただけるなんて恐縮です…( ; _ ; )♡ (2023年1月6日 23時) (レス) id: 345af002c8 (このIDを非表示/違反報告)
とりあえず名無し(プロフ) - あ、突然すんまそん。もしかしたら阿久津じゃなくて亜久津かもです!あとこの小説めっちゃ面白いです!これからも応援してます! (2023年1月6日 22時) (レス) @page31 id: 8d884a290d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぽぱい | 作成日時:2022年12月15日 23時