30話 ページ31
「なんだと、てめぇ！」
やはり彼は激怒し、転がっていた球を手に取った。そしてAに向かって力強く球を打った。
あ、まずい。Aは直感的に思い目を瞑った。しかし目の前でパァン！と音がしてから、いくら経っても衝撃は来ない。
『あれ…』
Aは目を開ける。目の前には越前が立っていた。荒井の傍にはカチローがいて、カチローは越前を呼んで来たらしい。
「Aセンパイ、大丈夫ッスか？」
『越前君…』
越前が守ってくれたからなのか、安心してAの目から涙が出てくる。
「あーぁ…Aセンパイ泣いちゃった。どうしてくれんの？」
越前の問いかけを無視して、不良はニヤッと笑う。
「お前が青学1年レギュラーかよ。よくも俺の楽しみ邪魔してくれたなぁ？」
「俺、アンタのこと知らないんだけど」
越前君は知らないところでいつの間にか不良に喧嘩をふっかけていたらしい。しかし、越前君は訳が分からない様子。
すると、あの白菜は落ちていた石を拾い、越前に打ってきた。だが、それを越前はAの前に腕を出し庇いながらラケットで打ち返した。
「へぇ」
白菜はそれだけ言うと、今度はAに向かって大量の石を投げてきた。
『ひっ』
Aが小さく悲鳴をあげると、越前は庇うようにAを抱きしめた。
『越前くん！』
Aを庇った越前は顔や手に傷を負ってしまった。
「ふんっ好きな女のためにそこまでするか」
と越前を見下した。
黙っている越前に不良は「今日はほんの挨拶がわりだ！」と言った。
「都大会決勝まで上がってこい。俺は山吹中3年亜久津だ！」
そう続けると踵を返し去っていった。
『越前くん…！』
私はまだ抱きついたまま黙っている越前くんに声をかけた。
すると、越前くんはハッとした顔で私を見た。
そして「Aっ…！」と心配そうな声をあげた。
無傷なAに比べ、越前は顔中傷だらけであるにも関わらず。
そんな越前を見てAはまたポロポロと涙を流した。
「っえ！…なんでまた」
突然泣き出すAに困惑する越前。
『だって…だってぇ…越前くんが庇ってくれて…怪我までして…』
と泣きながら話すAに越前は小さく笑った。
「フッ…Aセンパイって泣き虫なんすね」
______
切原初登場回の存在を忘れていたので時系列変になっちゃいますが、次切原出します…！ごめんなさいっ！
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ぽぱい(プロフ) - 名無しの漫画好きさん» 読んでくださりありがとうございます！( > < )新しいネタが出てきたら書こうかなと思います！ (9月1日 17時) (
レス) id: 345af002c8 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの漫画好き - めっちゃ面白いです！もしよかったら、他にもテニプリの作品を作ってほしいな❤️なんて。生意気言ってすみません(＞人＜;) (8月28日 22時) (レス) @page1 id: 7537c863d1 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぱい(プロフ) - とりあえず名無しさん» わー！間違えてました！報告ありがとうございます！それに褒めていただけるなんて恐縮です…( ; _ ; )♡ (2023年1月6日 23時) (レス) id: 345af002c8 (このIDを非表示/違反報告)
とりあえず名無し(プロフ) - あ、突然すんまそん。もしかしたら阿久津じゃなくて亜久津かもです！あとこの小説めっちゃ面白いです！これからも応援してます！ (2023年1月6日 22時) (レス) @page31 id: 8d884a290d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぱい | 作成日時：2022年12月15日 23時
