28話 ページ29
青学対聖ルドルフの試合が終わるとすぐAは跡部を追いかけた。
「おい、A!どこ行くんだ?」
後ろから大石先輩の声が聞こえるが、ゆっくり説明したら跡部さんを見逃してしまうだろう。
そう考えたAは大石の声をスルーして走った。
『跡部さんっ』
必死に後に追いついて、跡部さんに声をかける。
Aの声に気がついた跡部はその声の方を振り向く。
跡部の傍には樺地とさっきカッコイイなと思っていた髪の毛の長い男の子もいた。その2人も"跡部"というワードに反応して振り向いた。
「Aじゃねぇか。そんなに走んなくても連絡してくれれば待っててやったのに」
『だってスマホはバッグの中入ってて取り出すの面倒くさいし、走った方が早いかなって…』
私たちの話を聞いていた髪の長い彼が「あっ!」とした顔で口を開いた。
「もしかしてお前…この前、跡部がデートがなんちゃらって通話してた…」
「…あぁそうだ。」
静かにそういう跡部さんは心做しか不機嫌そうだ。
『はじめまして、AAって言います。』
Aより大分背の高い彼を見上げながら手を差し出す。
「宍戸亮だ。よろしくな。」
宍戸もその差し出された手を握り、握手をした。Aは握手してくれたことが嬉しかったのか、イケメンの名前を知れて嬉しかったのか分からないが、パァっと笑顔になり『はい!宍戸さんよろしくお願いしますっ!』と返事をした。
すると、宍戸はAから目を逸らし握手していない方の手の甲を口に当てた。そして、「くっ…初対面の奴に…オレ、激ダサだぜ…」と呟いた。
何が??
急に自分を自虐しだしたのか理解できないAと手を口に当てながら天を仰ぐ宍戸を見た跡部はため息をついた。
「はぁ…だから会わせたくなかったんだ…なぁ?樺地。」
「ウス…」
◆
『そういえば氷帝って不動峰と戦うんでしたよね?強いので気をつけてくださいね。無名校だからって甘く見てると足元すくわれちゃいますよ?』
Aが冗談めかすように言う。半分冗談でもう半分は本気だ。
「準々決勝なら二軍でも楽勝だろ。負けてもシングルスに俺たちがいるからな。」
「負けたら激ダサだぜ。」
「勝つのは…氷帝です。」
随分と調子こいているようだ。
まぁ跡部さんだしな…
そしてこの後の氷帝VS不動峰の試合は0-3で不動峰が勝利した。宍戸は僅か15分で負けたのだ。
Aは試合後に3人に会いに行こうと思ったが、そういう雰囲気ではなく、青学のみんなと帰った。
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ぽぱい(プロフ) - 名無しの漫画好きさん» 読んでくださりありがとうございます!( > < )新しいネタが出てきたら書こうかなと思います! (9月1日 17時) (レス) id: 345af002c8 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの漫画好き - めっちゃ面白いです!もしよかったら、他にもテニプリの作品を作ってほしいな❤️なんて。生意気言ってすみません(>人<;) (8月28日 22時) (レス) @page1 id: 7537c863d1 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぱい(プロフ) - とりあえず名無しさん» わー!間違えてました!報告ありがとうございます!それに褒めていただけるなんて恐縮です…( ; _ ; )♡ (2023年1月6日 23時) (レス) id: 345af002c8 (このIDを非表示/違反報告)
とりあえず名無し(プロフ) - あ、突然すんまそん。もしかしたら阿久津じゃなくて亜久津かもです!あとこの小説めっちゃ面白いです!これからも応援してます! (2023年1月6日 22時) (レス) @page31 id: 8d884a290d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽぱい | 作成日時:2022年12月15日 23時