春風3＊Re:vale 百 (ページ10)

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Side you

「え…………っ、」

スタジオに困惑した雰囲気が漂った。

IDOLiSH7も出演する音楽番組の収録で

春原くんが歌えなくなった。

結局、その日は口パクで収録を終えた。

「百くん、体調不良だと良いけど。」

「でも、このタイミングで歌えなくなるなんて、まるでゼロが自分の曲のカバーを嫌がってるみたいで。」

収録終わり、スタッフが話してた。

【Get Back My Song】
-ボクの歌を取り返す-

街中のポスターに落書きされたのを見かけたことがある。

本当に？

その事で歌えなくなったの？

別日に少しテレビ局へ用事があって寄っていたら

「待って下さい！百さん！」

少し切羽詰まった天くんと

その前を早歩きで歩いてく春原くんを見かけた。

その2人を追いかける様に、陸くんと一織くんが付いていく。

私も自然と彼らの後ろを追っていた。

4人が楽屋へ入っていったけど

部外者の私は流石に入る勇気も無くて…。

外から様子を見ることにした。

こういうところが意気地なしなんだ。

この前、相談に乗って貰ったはずなのに

いざという時私は助けられない。

入っていった子達の話し声が聞こえる。

「あの、もしかしてまた声が、、？」

一織くんが問いかける。

「あははは、夢かな。すごい嫌な夢だなあ。いたたた、あ、全力で痛い、全力で現実。」

「心当たりは無いんですか。」

「無いよ！俺は元気だよ。

だってさ、Re:valeで成功して、あんな良い相方が居て、5周年だよ？！こけら落としも大トリなんだよ？

俺が幸せじゎなかったら誰が幸せかっつうくらい。」

少し早口で春原くんは答える。

少しの沈黙のあと、こう続ける。

「…ちょっと1人にしてください。」

本当に1人にしていいの…？

そう思った時、

「嫌です！」

陸くんが反論していた。

「俺も1人でうだうだ悩んでました。でも勇気を振り絞って皆に話したら何でもないことのように悩みが解けていって。
だから百さんも1人で悩まないで。もう、無理に笑わないで。」

「あっはは。だって、だって。笑ってないと、不安で押しつぶされそうになる。

俺の幸せは借り物なんだもん。」

……借り物？

「俺は

本物のRe:valeじゃないんだ…。」