春風3＊Re:vale 百 (ページ6)

今日:16 hit、昨日:25 hit、合計:10,558 hit

＊46 ページ6

Side you

やってしまった。

彼から逃げて勢いよく楽屋に入る。

まだ収録の興奮冷めやらぬといったメンバー達が、

しゃがみ込んだ私を心配してくれる。

「大丈夫ですか？A。」

ナギくんが体を支えてくれる。

「あ、…ありがとう、ナギくん。私は大丈夫だから帰る支度しよっか。」

そういうと、皆んなが帰る支度を始める。

私も衣装の片付けをするが、

手が震えていつものスピードで片せない。

そんな私を見て三月くんが手伝ってくれた。

あんな態度とって怒ったかな、春原くん。

会いたくなかったのに、

いざ会ってしまうと少し嬉しい自分もいて

嫌われたくないってズルい考えが出てきてしまう。

チグハグな気持ちに戸惑った。

『会ってしまいました。』

大神さんにメッセージを送る。

するとすぐ返信がきた。

『そっか。大丈夫？』

心配してくれてたことが伺えて、涙が出そうだった。

あの後は春原くんに会うこともなく、テレビ局をあとにした。

その日の夜は眠れなかった。

春原くんとの再会の余韻もありつつも

IDOLiSH7の仕事が更に忙しくなっていき

気を紛らわせることができた。

陸と一織くんのセンター交代

こけら落とし2日目出演決定

大和くんの映画オファー

レギュラー番組開始

目まぐるしく時間は過ぎていく。

その間、何度かテレビ局で春原くんとすれ違った。

他のスタッフさんもいたから、軽い挨拶を交わす程度。

特にこれと言った会話はしていない。

まあ、私が避けてるっていうのはあるのだけど。

忙しいのを言い訳に、問題から逃げているのだ。

そんな中、久しぶりに風邪を引いてしまい、

お仕事を何日かお休みすることになった。