春風3＊Re:vale 百 (ページ12)

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Side you

「大神さん…？」

『うん、今大丈夫？』

「はい…どうしたんですか？」

『最近のAちゃん、気になってて…って今どこにいるの？』

「え？えーっと、ゼロアリーナ前の広場辺りに。」

『ちょっと。そこ動かないで待てる？5分くらい。』

「5分？って大神さん？！」

大神さんから掛けてきたのに、

一方的に切られた。

…私振り回されてる？

最後の方、走ってるような、息遣いだったけど、

もしかしてここまで来てくれるのかな。

今は少し

会いたくなかったかも。

「Aちゃん、お待たせ。」

ゼロアリーナ前の階段で座って待ってると

少し息を乱して、汗をかいている大神さんが居た。

走って来てくれたんだ。

「はい、これ飲み物。」

「飲み物まで…。すみません。」

「いいって、俺がやりたくてやってるだけだから。」

「イケメン…。」

「え？あはは。そういうところは百くんに似てるね笑」

「う……。」

隣に座った大神さんがふうと一息つく。

ふわっとシトラスの香りがして、それも色っぽい。

きっと

最近のIDOLiSH7の不調

それに加えて春原くんとの再会で

余裕のない私を心配してくれてたんだろう。

さっきの春原くんの話を思い出す。

千さんは大神さんを探している。

春原くんは大神さんが見つかったらRe:valeは終わってしまうと思ってる。

けどきっと見つけたいとも思ってる。

だって大神さんのファンだったから。

でも大神さんは身を隠してる。

—————どうすればいい？

無神経に言えない。

でも、隠していていいことなの？

私のせいで全てが壊れない？

さっきからずっとこのループに陥っていて

胃がキリキリしてした。

「今日はよく星が見えるね？」

「？？」

近況の話をするかと思えば

夜空を眺めてそんなことを言う。

言われて空を見上げると

「本当だ…。綺麗。」

リニューアルされたゼロアリーナと星空が融合して

プラネタリウムみたいな空間。

ふと気づく。

最近空見てなかったな。

目があわないように

気づかれないように

下ばかり向いていたかも。

「私、7年前———-。」