4話 ページ5
ぼくは、あまりのショックにしばらく呆然としていた。ぼくがハッとした頃には、周りにいた人はだいぶ少なくなっていて、残っていた人の中に、両親を見つけた。
ぼくはまだ分かっていなかったんだ。これだけ否定されて、それでも父と母だけは、ぼくを、ぼくの目を見てくれると思っていたんだ。
『お、おとうさん!おかあさん!!』
「!」
『ぼ、ぼく』
「ヒッ!な、なんでしょうか、?」
『え、』
「あなたが望むことは非道なこと以外であればいくらでも叶えます!ですから、ど、どうか、命だけはご勘弁を、!!」
『は、?』
ぼくはこの時、初めて理解したんだ。いくら愛されようと、己の命を脅かす異物を愛し続けることなど、到底不可能であるのだ、と。
そして、ここから元の関係に戻ることなど、ありえないことも。
『…わ、かりま、した。ぼくが、望むのは、成長を妨げない、程度の、衣食住を提供すること、です。あ、ある程度、成長、したら、家は出ます、ので、安心して、ください。』
「さ、左様でございますか!、しょ、承知致しました。」
ここから、ぼくは村の子供には気味が悪いといじめられ、大人からは近寄らないでくれ、と態度で、視線で、言葉で拒絶され続けた。
以前はぼくと仲が良かった村の人達にこれだけ拒絶され続けるのは、とても、とても辛く、苦しいものがあった。
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作者名:くまろばら | 作成日時:2021年9月13日 2時