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A「どんな人間って、」




言葉を詰まらせてしまった。




中間「かっこよかった?優しかった?怖かった?
簡単な質問やろ」




この、挑発するような言い方。

中間さんは、何を考えてるのかわからない。







大毅…







大毅は…








怖いときもあったけど、優しかったし

毎日のように遊んでたし

私が悪い人に絡まれたときは
やりすぎってほど助けてくれたこともある。







A「……」







今日、大毅が望くんに向けた
純粋じゃない笑顔がよぎった。






ああ。


大毅も、なにを考えてるのかわからないな。









中間「…ま、ええわ」



黙り込む私に痺れを切らして
諦めた中間さん。



A「…すいません」


中間「お前のことは
まだ信じたわけじゃないから」


A「はい、」



まぁ、この人が私のことを信じようが信じまいが、これからの学校生活に支障はないだろう。






中間「忠告しとくわ。

あんたがスパイでも、スパイじゃなくても
一高には関わらんほうがええと思うで」



A「あの、一高って…」




中間さんがさっきから口にする”一高”

気になってはいたけど、




中間「ここと対立してる、関西第一高校。
あそこは狂った奴ばっかやからな」

A「そうですか、」



中間さんの口にすることは
すべて私には関係ないような気がする。

だから他人事のように聞けるんだ。



中間「あと、重岡さんを甘く見んほうが身のためや。もうほぼ、標的にされてんねんから」

A「標的?」

中間「俺は重岡さんには口出せへんし、お前のことも助けられへんと思う。でもほんまにやばいときはここに来たらええよ。俺専用の部屋やから」



なるほど、どおりで静かすぎると思った。

この図書室は中間さんの専用スペースで
誰も寄りつこうとしないわけか。




中間「てことで、今日は帰れ」

A「あ、はい、…さよなら」




中間さんに言われるままに図書室を出る。






私が知りたいことは、何も知れなかった。






中間さんが職員室で受け取ってた書類のことも


中間さんがどんな人なのかも


お前のことは助けられない?


標的?




逆にわからないことが増えてる。




ただ、

『お前のことは信じたわけじゃない』

って言ってる割には
いろいろ話してくれたなぁと。




そんなことを悶々と考えながら、部活も補修もないガランとした校舎を抜けて帰路を辿った。


校門に、門番の望くんの姿はなかった。

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なつ(プロフ) - ぴっぴろさん» ありがとうございます、嬉しいです!更新頑張ります(汗 (2018年6月16日 23時) (レス) id: 2db01981b7 (このIDを非表示/違反報告)
ぴっぴろ(プロフ) - めちゃめちゃおもしろいです!マイペースに更新楽しみにしています!! (2018年6月15日 1時) (レス) id: a3661fdb39 (このIDを非表示/違反報告)
しげ - 続きが更新されて嬉しいです! (2018年5月26日 23時) (レス) id: 707261b04f (このIDを非表示/違反報告)
中間のんちゃん(プロフ) - 続き読みたいです。楽しみにしています。頑張ってください (2018年3月12日 19時) (レス) id: 4e3b4b3b1b (このIDを非表示/違反報告)
aimhi - 続きがみたいです とても面白いです (2018年3月4日 8時) (レス) id: d444210f1d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なつ | 作成日時:2018年1月20日 13時

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