もっとスキを与えてほしい【角名】

０４ ページ5

「すなりん、すなりんごりら、らっぱ、ぱんだ、だんごむし、」

「急にしりとりしだすの やめてくれる？」

「すなりんもする？だんごむし、はい！し！」

「しんかんせん」

「はい負けー！！」

「うわぁー負けたー(棒)」


こんなアホみたいな会話ができる仲になって 約3ヶ月。

もうすぐ夏休みですね、って時の事だ。


「すなりん、夏休みおヒマ？」

「バレー部の多忙さを知った方がいいよ、帰宅部」

「17,18日 は？」

「…なんでoff日知ってんの」

「私の情報網の広さを知った方がいいよ、すなりん」


情報網って…どうせ治とか銀とか…侑とかに聞いたんだろう。

「…暇って言ったら？」

「お出かけしよう」

「どこに？」

「映画。ちょうど公開日なんだ」

「桃井さんと行けばいいじゃん…あ、」


あ、しまったと思った。

バレー部のoffを知っていたのが何故か、ようやくここで分かる。


「……侑くんにとられました」

「…ごめん」

少々気まずい 沈黙が流れて、

申し訳なくなってしまったからつい答えた。


「…何時にどこ集合」

「ほんと！？わーーい！！じゃあ9時に駅前ね！
オシャレして来てね！！すなりん！！」

「え、なにそのテンションの上がりよう。
もしかして 計算してたわけ？」

「してないよ！」


周りをピョンピョン飛び跳ねながら、嬉しそうに話す




「すなりんと行けるのが、嬉しいの」



「…へぇ、そう」



あぁ、抱きしめたい


ていうか、しても怒られない

多分 また顔を真っ赤にして照れるんだろう


けど、その先には 進めない。

Aはまだ 俺に隠してることがある。




あぁ隙がない、まるで北さんみたいだ。

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