もっとスキを与えてほしい【角名】

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「すなりん」

「…なに？」

「私あの日、なんで屋上にいたと思う？」

「…死にたかったから？」

「そうだよ。じゃあ、それはどうして？」

「…失恋、したから」




Aの顔が 少しずつ強ばっていく。

少しづつ、真相に近づいていっている。



「あの日、……私、ずっと好きだった人を取られて

まぁ、私が選ばれるなんて思ってなかったけど、やっぱり、

それでも辛かった」


Aの言葉が震えていくとともに、俺もなんか泣きそうになった



「私は、…また、取られたんだ」

「…また？」



心臓が、うるさい







「すなりん、これが最後の問題」





喉が掠れて、声が音にならない






「私は誰に何を取られたと思う？」





桃井さんか、…それとも




父親が、Aに何か＿＿＿＿＿




それはもう考えるだけで怖い。

俺はあの日の、確実に起こったことを答えた。






「侑を……桃井さんに」







どうか、正解であってくれと願った。

あの家に、Aを死まで追い詰める原因があるのは

とても、とても＿＿。








「…ぶぶー、残念」




Aは 柔らかに否定した。

そして、なにかを諦めるように、


意を決したかのように



また俺に向き直った




「すなりん、聞いてくれる？」


「…うん」


「私は、本当にすなりんが好き。今から言うことで

もしかしたら 、もう、すなりんは 私をそんな風に

見れなくなっちゃうかもしれないけど

それでも、好きって気持ちは嘘じゃないから、

ちゃんと聞いて欲しい」




大丈夫、ちゃんと受けとめるから







「……今まで、言わなくてごめんなさい」

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