１４ ページ15
「手、変なとこあたったらごめん」
「むむ！？すなりん、さてはそれ目当てだな！！」
「そんなわけないでしょ……多分」
「多分！？えっち！！すなりんのえっち！！」
「ちょ…うるさいなぁ、落とすよ」
「それはダメ！！」
どっちも冗談だよ、なんて笑いながら 心の中で謎は深まる。
Aには 何がそんなに気持ち悪かったんだろ。
侑だから？
あの日の記憶がフラッシュバックしたのかも。
それとも そういう行為が苦手とか？
でも観覧車の時は普通だった
…我慢してた？泣いてたし。
そうではない…と信じたい。
意識をそっちにとらわれてて、黙ってた俺の方に
Aのおでこが当たる。
「…すなりん、ありがと」
こういう素直な所が、本当に可愛らしい。
「いーよ、彼氏だし。頼りなよ」
「うん。あ、ウチでアイスでも 食べて帰りなよ。
私からのお礼の気持ち」
「まじ？…あ、でも、この時間に俺行ったら
色々言われない？」
俺はなんの意味もなくそう言ったけど。
「大丈夫、うち父子家庭だし！
それに、多分あの人、今日、夜居ないから」
「え、あ、そなんだ」
「うん、パラダ〜イス！」
少しだけ、生ぬるい空気が流れる。
Aが慌てて 間を取り繕った。
「あ、落ち込まないでいいからね？！
私 別に エンジョイしてるし！！母親の記憶ないし！
これが私には普通だから！！」
「あ、うん。大丈夫、口調がナチュラルすぎて驚いただけで。
普通じゃないとは 思ってないし」
「ほんま？」
「なんで関西弁？関東育ちのくせに」
「うふふ〜」
Aが隠してる悩み事(？)ってのは
もしかしたら 父親との関係なのかもしれない。
それがなんで俺を不幸にするのかは知らないけど。
…もしかして十分な生活できてないのかな、なんて
思ってた俺の 失礼な想像は
Aの家に着いた瞬間 ぶち壊される。
「あ、これ！この1002号室！」
「…え、なにここ、ホテル？」
「すぐそんなこと言う！！すなりんのえっち！！！」
「いや、そういう意味じゃなくて…」
何このマンション、デカすぎでしょ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 612人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
s.s - つばきさん» 作者です！訳あって別アカウントから失礼します。 頑張って練ったので凄く嬉しいです､､(;_;) まだまだへっぽこですが 入試終わり次第また新作にチャレンジしようと思います！！ありがとうございます！！ (2021年2月3日 11時) (
レス) id: 135308203f (このIDを非表示/違反報告)
つばき - きっと私は、この小説を読むために占ツクを漁っていた。これが読みたかった。ありがとう。筆舌に尽くし難いほどの歓喜と共に読ませていただきました。伏線の入れ方とかもうストーリー性から描写から何から最高。あなたが神だ。 (2021年1月31日 12時) (レス) id: 7e989e701c (このIDを非表示/違反報告)
サクサくぱんだ(プロフ) - ユズさん» ありがとうございます！！！夢の塊ですがそう言って頂けると凄く嬉しいです、！ あの作品難しかったですよね← 新作も頑張ります！！ (2020年10月30日 7時) (レス) id: 486bda84af (このIDを非表示/違反報告)
ユズ - 作品すべて読ませていただきました！色々な所に伏線があって、最後は治がとてもいい役を果たしていて感動の涙が止まりませんでした！終わり方もとてもスッキリしていてよかったです！ちなみに私も国語の授業で同じ文章を読みました！これからも応援しています！ (2020年10月28日 21時) (レス) id: df83c7a060 (このIDを非表示/違反報告)
サクサくぱんだ(プロフ) - 至ってノーマルさん» めちゃくちゃありがたいお言葉ばかりです(;_;)すごく嬉しかったです！！次も頑張ります！ (2020年10月22日 22時) (レス) id: 486bda84af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サクサくぱんだ
| 作成日時：2020年9月7日 12時
