２７ つながり ページ28
それが初めて聞いた 侑くんの弱音だった。
いや、「本音」なのだろう。
侑くんはさらに続ける。
「おとんが再婚すんのにはなんの文句もないねん。
けど、養子縁組だけは絶対に嫌や
やって、…それしたら、サムと Aちゃんは……」
侑くんが俯いて、私から顔を逸らす。
語尾がわずかに震えていて、顔を見なくても
侑くんが今 どんな表情で、気持ちで、想いで
私に話してくれているかが手に取るように分かる。
「…サムも、おとんも好きな人と結婚するべきやから、
再婚だけして、養子縁組なんかしたらあかんねん。
せやけど……そうしたら、俺だけ、」
震えながら溢れる言葉に、侑くんの嗚咽がかさなる。
鼻の奥がプールで溺れた時みたいに痛む。
空気を吸い込もうと空を仰いだら
星がぼんやりにじんでいて、
そのときはじめて 自分もないていることに気付いた。
「そしたら、俺だけ、あんな暖かい家におんのに、
世界でたった独りぼっち になった気ぃすんねん」
再婚すれば、ママたちは夫婦になる。
連れ子どうしは 決して赤の他人のまま。
でも 養子縁組をすれば 正真正銘の家族になる。
侑くんは、それを拒んだ。
唯一 血を分けた兄弟が自分の愛する人と、幸せになれるために。
でも それがどれだけ侑くんにとって
苦しくて、辛くて、怖いことだったか。
私は 侑くんの「声」を聞いたこの時
初めて 実感した。
「大丈夫、大丈夫だよ、侑くん」
侑くんよりも ひどい泣き方で
声だって 震えてたけど
「絶対、侑くんを、独りになんか、しないから」
絶対に解れないように強く、
それでいて 安心させられるように優しく、
しっかりと 目の前の侑くんを抱きしめた。
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くまとも(プロフ) - 結局どういう関係になったのか気になります… (2022年3月26日 12時) (
レス) @page31 id: d164243b11 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - 最推しと同棲できる世界線どこ？(ここです) (2022年2月26日 6時) (レス) @page9 id: 9a5d2125ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サクサくぱんだ
| 作成日時：2020年8月18日 23時
