Aimer Ⅱ (ページ15)

今日:5 hit、昨日:3 hit、合計:174,355 hit

＊ページ15

.

『Wikipedia調べでは西川選手は92年の4月生まれなんですけど、私は言わずもがな93年4月1日なんですよ。誕生日が1年違いなのに同学年というね！』

《草》

《どっちかというと93line寄りのAちゃん》

『あと同い年って思いたくないくらいには貫禄とオーラがすごかった。スーパースターになるべくしてなった人やなあって思ったし、あのインタビュー以外にもお話伺ってるんだけど野球に懸ける情熱に感動しましたね。

私はドラゴンズファンやけど、純粋に野球してる西川選手を応援したくなった』

《Aちゃんもスターだよ！》

《放送見たけど西川はイケメンでAちゃんは可愛くて、正直美男美女だった》

《絵面が強い》

《りょうA推しワイ、危うく西川とAのコンビに落ちかける》

《気を確かに》

イヤホンを装着し、今そこの部屋で行われている生配信をスマホで見守る。Aがプロ野球選手としての自分を認めてくれたのが嬉しかった。何年越しになるのか、やっと荷が降りた。

ファンの奴らがお似合いだった、とコメントを飛ばしてくれるのにもニヤける。……やっぱ俺ら、似合ってるよなって自惚れる。伊達に幼馴染やってへんし。独占欲が湧くくらいにはAが好きになってしまった。

Aが嫌がるなら一服も我慢する。1週間なんてAがおればあっという間やと思う。

『こんな感じでね！今日も生配信始めていきますよ！

今回のピアノ弾き流しと弾き語りはTwitterに投稿した通り恋の歌をテーマにリクエスト募集します。1時間ほどやれたらいいなって思ってます。沢山のリプ待ってます！』

呼び掛けに応じて様々な曲名が流れていく。真剣にコメントを読むAはこれにしよう、と呟いてピアノ前の椅子に座った。

楽譜を開ける仕草、真剣な表情。幼い頃から見てきたものと変わらない。

『まず初めにSuperflyさんの愛をこめて花束を』

細い指から奏でられるピアノ。相変わらず上手い。

俺は音楽はよく分からん。ピアノにおいての技術とか表現とか、感情なんて理解もできない。とりあえず左右の指が別々に動かせたらええんちゃうか、と考える。

でもAが弾くピアノは素人目から見ても温かみがあり、聴く人を安らぎの世界へ誘う力がある。

俺が野球なら、Aは音楽。

ピアノも歌もドラムも昔っから頑張っていた。