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2人を待たせる訳にはいかないので、衣装から私服へと着替える。黒と緑のボーダータートルネックにデニムのスキニー、黒のスニーカーを合わせる。靴下は2枚くらい重ねて防寒すればいいかな。

コートを羽織ってマフラーを巻いて、少しお化粧直しをして。髪の毛も軽くセットする。



『……よし』


もうどうにでもなれ。
そんな気持ちで楽屋を出ると、マネージャーさんがニヤついて待ち伏せている。



「誘われたんだね」


『もう! 勝手に私の予定教えないでくださいよ!』


「いいじゃん! 暇だったでしょ?」


『そうだけど! 次会う時覚悟しといてくださいね?』


マネージャーさんは明日も仕事があるらしく、ここでお別れになる。今度は12月第2週の撮影日に会うだろうか。

次会った時はてっちゃんのまずい料理でも食べさせてやらなくちゃ。



「気を付けてね。お疲れ様!」


『そっちもね! お疲れ様でした!』


玄関で別れた後、裏口を探してテレビ局を回る。空はすっかり暗くなり、昼間よりもさらに冷え込んで空気は乾燥している。雪が降っていないのが幸いか。



『寒すぎる……!』


両手を擦っても温かくならないほどの寒さなんて経験したことないよ……
息をはあーっ、と吐けば真っ白に広がって。
夏は過ごしやすいかもしれんけど、冬はつらい……

そんなことを思いながら裏口に近づくと、駐車場に停まっていた1台のタクシーがクラクションを鳴らす。

ドアに近づけば、

「お疲れ様」

中島さんが助手席の窓から顔を出した。



『お疲れ様です。今からよろしくお願いします……』


「こちらこそよろしくね」


爽やかに微笑む中島さん。スマートでかっこよくて、凍えた体に染み入るような優しさをくれる。



「ここじゃ寒いやろ? 中入ろっか?」


『はい!』


後部座席の自動ドアが開く。隣にはスマホをいじる遥輝がいる。



「◯◯までお願いします」


中島さんの一声でタクシーは動き始めた。



「よっ」


『どーも……』


バッグを間に挟み、距離を取る。



「何をそんなに離れてんねん。俺の圧倒的オーラの前に眩しかったか?」


『……自意識過剰。そんなわけないやろ』


「なっ……」


「ふっ」


遥輝は目をパチクリさせ、中島さんは肩を震わせていた。



『相変わらずアホやね』


「お前が言うなや」

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あおやなぎ(プロフ) - はるちゅんさん» ありがとうございます(^^) これからじゃんじゃん進めていくので楽しみにしていてください〜! (2019年9月1日 23時) (レス) id: c05e59e944 (このIDを非表示/違反報告)
はるちゅん(プロフ) - うおっ、最強!更新頑張ってください!お気に入りに入れます! (2019年9月1日 22時) (レス) id: 3445983938 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あおやなぎ | 作成日時:2019年8月29日 22時

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