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「……なあ、A」
『んー？』
「今度の日曜日に優勝パレードがあんねん」
『うん』
「もし良かったらさ、……来てくれへんか？」
今なら誘えると思った。単純に会いたいのもあるけど、その年優勝した球団しかできひん晴れの舞台をAに見てほしい。交通費やらその他もろもろは俺が工面する。
野球人としてまた1つ成長した俺を見てほしかった。
『ごめん、その日1日撮影で……』
「そうやんな……」
申し訳なさそうに謝られる。しゃあない。俺が突然誘ったんやから。
『でもテレビでちゃんと見るからね。楽しんできてな？』
「おう。……あ、あとさ、」
『ん？』
寂しがり屋やない。でも感傷に浸る今の俺は大声では否定できひんくて。
「また、会える？」
『うん。会えるよ』
社交辞令かもしれへん。気を使ったのかもしれへん。
「今度は愛知か和歌山で会いたいな」
『じゃあ次は愛知で会おうよ！ 今度は私が遥輝に岡崎を紹介したい！』
でも一応約束ができた。……次はいつ会えるやろうか。早いとこ暇な日を作らなあかん。
「おお、それは楽しみにしとくわ」
俺はこんなにもAとの繋がりを求めている。1度離し、やっとの思いで捕まえたその手と心を離すまいと必死になっている。
今までそんな女がおったか、と言われたら確実におらんかった。
『予定が空いてるが分かったら教えてね』
「うん」
秋季キャンプが終わって本格的なオフシーズンに入った今、久しぶりに勝負の冬がやってこようとしている。
『じゃあそろそろお風呂入って編集したいからここまでね？』
「うん。付き合ってくれてありがとな？」
つい柄でもないことを言えば、
『湿っぽいよ！ はるちゃんらしくないね』
昔よく呼ばれていたあだ名でからかわれる。
「気持ち悪いわ！ はるちゃん言うなよ！」
『昔は喜んでたのに』
「昔は昔、今は今や！」
ほんまくすぐったいわ……
『ふふっ、じゃあまたねっ』
切れた電話は無情にもツーツー、と電子音を鳴らす。外で喋ってたから体は冷えてもうたけど、心はポカポカと湯たんぽを抱いたように温かい。
……また明日、電話してもええかな。明日次第かな。
きっとこれは俺にとって最後の片想い。Aの最後の相手になりたい。
そう思える人に、俺もやっと出逢えたみたいや。
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あおやなぎ(プロフ) - はるちゅんさん» ありがとうございます(^^) これからじゃんじゃん進めていくので楽しみにしていてください〜！ (2019年9月1日 23時) (
レス) id: c05e59e944 (このIDを非表示/違反報告)
はるちゅん(プロフ) - うおっ、最強！更新頑張ってください！お気に入りに入れます！ (2019年9月1日 22時) (レス) id: 3445983938 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおやなぎ
| 作成日時：2019年8月29日 22時
