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「……あれ」
四方八方を見るも、4人の姿はない。何なら時間も随分進んでるし、机に体を預けてしまってるし自分が寝落ちしたことに気づかせた。
もっと話したかったな。
そう思いながらiPhoneのロックを解除すると、近ちゃんから”4人で飲み直してます”、”おやすみなさい”とのLINEが届いている。丁寧に居酒屋で飲んでる写真まで添付されとって、いい夜を過ごしてんねんな、と少し寂しくなった。
同時にトーク一覧にはAのアカウントが目に入る。
昨日の今頃はAと飲んでたよな……
そう思うと心が温かくなる。でも寂しさも増す。あっちにはあっちの事情があるとはいえ、もう少し一緒におりたかった。
無意識やった。ほろ酔いの勢いというか、なんというか。とにかく声が聞きたくなった。
無機質な機械音が鳴り続ける。もう寝てもうたかな。諦めて切ろうとすると、見かねたように応答してくれる。
『おかけになった電話は現在使われておりませんので切ってください』
生意気な。バリバリ出とるやないか。欺けると思うたら大間違いやで。
でもその声を聞くと不思議と安心感がある。酔いを覚ますために1杯の水を飲めば、ゴクッ、と喉が鳴った。
『ねえ遥輝、今家におる？』
「うん」
『ちょっとベランダ出てみてよ』
あと1時間は話したいとゴネてみたものの、何を話すのか。迷っていた時に促された。こいつは冬の北海道を舐めてんのかな。昨日も手袋忘れて寒そうにしとったわな。そう思いつつも足はベランダを向く。カーテンを開き、窓を開ければ突き刺さるような厳しい寒さに包まれた。
「寒っ……」
『勇者や……』
「お前が出ろ言うたんやろ？」
『でもほんまに出るとは思わんやん』
ふふ、と笑う瞬間、耳がくすぐったくなった。
『まあ私もベランダ出てんねんけどね』
「は？」
ほんまにこいつは寒さを舐めてんのやな。愛知が北海道よりも温暖なのを抜きにしても風邪引きたいんか。俺も人のこと言えんけど。
『こっちは星空が綺麗やで！ 背伸びしたら1個くらい掴めそう』
無邪気な声。23にもなって子供みたいなこと言うんか。
「お前チビやから取れへんやろ」
『おいっ！』
でもそんなAが可愛い。懐かしい。
”はるき、星取って！”
”無理や！”
いつかの夏休みを思い出す。俺らにもこんな時代があった。
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あおやなぎ(プロフ) - はるちゅんさん» ありがとうございます(^^) これからじゃんじゃん進めていくので楽しみにしていてください〜！ (2019年9月1日 23時) (
レス) id: c05e59e944 (このIDを非表示/違反報告)
はるちゅん(プロフ) - うおっ、最強！更新頑張ってください！お気に入りに入れます！ (2019年9月1日 22時) (レス) id: 3445983938 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおやなぎ
| 作成日時：2019年8月29日 22時
