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……やめてよ。傷ついた顔をしないでよ。胸の痛みの理由は俺自身が作ったものだ。深い引っかき傷が疼く。
「今日は名古屋でご飯食べよっか」
『うん！』
すぐに満面の笑みを浮かべたおチビさんは俺の気持ちなど知る由もない。
南條Aさん。
俺ら世代で高校時代を愛知で過ごした人は、覚えているかどうかは別として、かなりの確率で彼女の名前を聞いた覚えがあるだろう。
彼女から放たれるドラムの轟きと……パワフルな歌声。ニコッと笑った顔に沢山の男達がハートを突っつかれ、興味を持った。実は東海オンエアもその中に含まれている。
”なあなあ亮！”
”ん？”
”南條Aさんって知っとる？”
大学2年の夏、徹也が自慢げに聞いてきたことを昨日のように思い出す。
”……ああ、うん”
”ざわくんが同じ高校だったらしくてな！ 今から会わせてくれるって！”
”マジで？”
この時運命が変わった。
”亮も来る？”
”行く”
もしあの日、俺が別の用事を入れていたら……、と思うとゾッとする。
”抱けるかなあ”
”お前それしか頭にねえやん”
でも俺も下心に溢れていた。
”初めまして、南條Aです。いつもざわくんがお世話になってます”
”あわよくば”を払拭させたのは純粋な笑顔だった。思っていた以上に小さい。自分の肩ほどの高さに頭のてっぺんが来るなんて聞いてない。
そして……、可愛い。ビビっと体に電流が走った。
”福尾亮です。こちらこそざわくんがお世話になってます”
”ねえAも亮くんもひどい”
”おチビさんは黙ってて”
ざわくんを牽制するためにそう言えば、
”私もおチビさんですよ？”
彼女にニヤリとされる。……俺はこの人に敵わないかもしれない。
その予感は的中し出会って3年ほど経った今、主導権はAに握られている。
「今日はイタリアンなんてどう？」
『おー、いいねえ！』
余裕と無邪気が混在する笑顔に今日もまたドキドキさせられる。これが惚れた弱みというのだろうか。出会ったあの日からずーっと、女性としてAが好きだ。
『せっかく迎えに来てくれたから私の奢りね？』
「何で！ 関係ないし男が奢るもんじゃん！」
『ふふ、そんなにムキにならんの』
茶化されるとムキになる自分とは違い、Aには大人の余裕が感じられた。
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あおやなぎ(プロフ) - はるちゅんさん» ありがとうございます(^^) これからじゃんじゃん進めていくので楽しみにしていてください〜！ (2019年9月1日 23時) (
レス) id: c05e59e944 (このIDを非表示/違反報告)
はるちゅん(プロフ) - うおっ、最強！更新頑張ってください！お気に入りに入れます！ (2019年9月1日 22時) (レス) id: 3445983938 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおやなぎ
| 作成日時：2019年8月29日 22時
