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プロ野球選手やから。
そんな理由で近づいてくる女は沢山おるし、今までも山ほどおった。
でもAは俺が”プロ野球選手やから”離れた。遠ざかっていく姿は俺の足を持ってしても追いつけへん。掴まれへん。ずっとずっともどかしく、でも絶対に掴みたかった。
「俺ってどっちかというと追われる立場やん?」
「モテる男の嫌味ですか?」
「違うわ!」
去年俺は結果を残せへんかった。苦しい1年やった。今年は納得のいく結果を残してからAに近づきたい。野球道を極め磨くために、今年はAを食事に誘うのを止めた。
日本一になったら、あかりさんを通してAに出会うんや。それまではYouTubeで我慢する。意を決して挑んだ今シーズンは、今までの野球人生の中で1番楽しかった。
「あいつとおると、自然と追う立場になってんねん」
「遥輝さんが?」
「おん」
日本一になった。優秀選手の1人に選ばれた。あとはA……
またあかりさんに話を通して、今度こそ和解しよう。そう思ってた時に今回の取材があった。その後、本心を知った。
「俺は1回あいつを手放してもうてるから、もう絶対に離したくないねん」
俺の大部分を構成するものやから、プロ野球選手としての西川遥輝を見てほしい気持ちはある。でもAは1個人、男としての西川遥輝を見てくれてたからこそ、遠い存在になった、と勘違いしていた。
あいつはプロ野球選手になってから出会った女どもが見てくれへんかった、素の西川遥輝を好いてくれてる。それがどれだけ嬉しかったか、安心できたか。
「待って、遥輝さんとAちゃん、付き合ってたんすか!?」
物思いに耽っていれば、慎吾が勘違いをしている。
「付き合ってへんよ? ただの幼馴染」
でも今思えば中学の時から俺の中のAは親友でありながら、異性としてどこか気になる存在やったのかもしれへん。何回か告られてんのを見たし、Aから相談されたこともある。あの時は物好きもおるもんや、と小馬鹿にしとったけど……
「なあ、そろそろ俺の話やめて卓さんの話しようや」
「はあ? 俺に浮ついた話はないっちゃけど」
急に恥ずかしくなってきて卓さんに丸投げする。
「それはそれで寂しいっすね!」
慎吾に1発かまされた卓さんはしゃあしい、となぜか俺の頭を小突く。あー、頭ボーッとしてきた。
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あおやなぎ(プロフ) - はるちゅんさん» ありがとうございます(^^) これからじゃんじゃん進めていくので楽しみにしていてください〜! (2019年9月1日 23時) (レス) id: c05e59e944 (このIDを非表示/違反報告)
はるちゅん(プロフ) - うおっ、最強!更新頑張ってください!お気に入りに入れます! (2019年9月1日 22時) (レス) id: 3445983938 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あおやなぎ | 作成日時:2019年8月29日 22時