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車の中は大騒ぎや。
「うわあ、西川遥輝イキってるわあ」
『今もまあまあイキってるやろ？』
「うん」
「誰がイキってんねん！ 即答すんな！」
Aの動画を見終えた3人は俺の高校時代の動画を発見したらしく、ゲラゲラ大笑いしよる。悔しきかな、俺は運転中で雄也のiPhoneを強奪できひん。
『でもあれやね、この時の遥輝はただの野球バカって感じやなあ』
「分かる」
『今は色気と責任感を持った野球バカかなあ。この前の日本シリーズかっこよかったなあ』
ふふ、と照れながら微笑むA。まさかこいつからかっこいい、なんて言われるとは思わず、ついブレーキとアクセルを踏み間違えそうになる。
『私あの時ドラゴンズファンのメンバーと優勝予想してたんよ』
「うん」
『3人はカープで、私だけがファイターズに賭けたんやけどあの時の遥輝って絶不調もいいとこやったやん？』
「ほじくり返すなよ！」
『うっさい。ちゃんと聞け、アホ』
何で貶されてんねん。確かに調子悪かったけど。そんなことを思いながらAが食べたいと言っていた海鮮料理が美味しい店に着く。
『でもサヨナラ満塁ホームラン打ったやろ？
同級生でそれなりに馴染みがあるやつが一気にヒーローなったのが嬉しくてさあ……』
……ほんまに心臓に悪い。こんなんもっと好きになってまうやん……
あの日の試合後、同級生から一斉にメールやら電話やらLINEやらが届いた。その中にAのものはなかったけど……
『西川遥輝はほんまに和歌山の誇り。愛すべき野球バカやと思う！』
野球バカは卒業できてへんかったけど、Aからの褒め言葉は俺のことを真に認めてくれた気がして嬉しい。また来シーズンも頑張れそうや。いや、頑張らなあかんねんけどね。
「カニと海鮮丼食うんやろ？ はよ降りようや」
『わー！ 食べる！！』
照れを隠すように促せば、後部座席の2人がニヤニヤするのがサイドミラー越しに見える。
「お前らも降りるで！」
「はーい」
慎吾も雄也も後で覚えとけ。
その後……
『美味しすぎる。ほんまに美味しい』
「やろ？ ここ卓さんに連れて来てもらってん」
『そうなんや……！
こんな美味しいもん食べれるんやったら北海道に引っ越してくるのも悪くないね！』
そう言って輝く笑顔を向けてくれるAが眩しかった。
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あおやなぎ(プロフ) - はるちゅんさん» ありがとうございます(^^) これからじゃんじゃん進めていくので楽しみにしていてください〜！ (2019年9月1日 23時) (
レス) id: c05e59e944 (このIDを非表示/違反報告)
はるちゅん(プロフ) - うおっ、最強！更新頑張ってください！お気に入りに入れます！ (2019年9月1日 22時) (レス) id: 3445983938 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおやなぎ
| 作成日時：2019年8月29日 22時
